2017-07

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映画の中のネィティブアメリカン達⑩ウインドウォーカー

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●編集前記
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インディアンのインディアンによるインディアンのための映画

この映画には一人の白人も登場しません。
映画の中で話す言葉もすべてテインデイアンの言葉です。
ナレーションだけが英語です。
派手さはまったくありません。
しかし、インディアンの生活や伝統文化がよく理解できる映画です。

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▼18世紀のアメリカを舞台にインディアンの種族間の戦いと家族愛を描く▼

◇◆◇ウインドウォーカーWIND WALKER◇◆◇ 

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ウインドウォーカー写真

【DATA】
原題:WIND WALKER
106分
1980年アメリカ映画
初公開年月 1991/11/

製作:アーサー・R・ダブス/トーマス・E・バラード
監督:キース・メリル
原作:ブレイン・M・ヨーガソン
脚本:レイ・ゴールドラップ
撮影:リード・スムート
美術:トーマス・プラット
音楽:メリル・ジェンソン
編集:ステファン・L・ジョンソン、ジャニス・ハンプトン、ピーター・L・マクレア

【キャスト】
トレヴァー・ハワード(Windwarker)
ジェームズ・レマー(Windwarker as youngman)
ニック・ラム(Smiling Wolf Twin Brother)
セレン・ヘディン(Tashina)
ダスティ・アイアン・ウィング・マクリー(Dancing Moon)
シルバーナ・ジラード(Little Feather)
ビリー・ドラゴ(Crow Scout)
ルディ・ディアス(Crow Eyes)
Harold Goss Coyote (Crow Hair)

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■映画の紹介文から
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死んだシャイアン族の戦士が、精霊の導きによって、
勇者ウィンドウォーカーとして蘇った。
彼は自分の部族を守るため、対立するクロウ族と闘う……。
18世紀のアメリカを舞台にした家族愛のドラマ。


そして、男は風になる。
ときは18世紀。
シャイアン族の老戦士が臨終を迎えようとしていた。
昔、クロウ族に妻のタシナを殺され、双子の息子のうちの一人を連れ去られた彼は、
息子への思いを胸に息を引き取った。
双子の片割れであるスマイリングウルフはシャイアン族を引き連れて南へ旅立った。
一行は旅の途中、宿敵クロウ族の襲撃を受けた。
そのとき、死んだはずの老戦士が伝説の勇者ウィンドウォーカーとして蘇り、
シャイアン族を救うのだった。
一方クロウ族の間ではいさかいが起きていた。
一人の青年がクロウ族の残虐さに耐え兼ね、群れを離れたのだ。
その青年はシャイアン族に捕らえられるが、
彼こそがスマイリングウルフの双子の弟であった。
ウィンドウォーカーとスマイリングウルフ、そして帰って来たウィンドウォーカー
の息子はクロウ族を相手に最後の戦いに挑み、見事勝利を納めた
一族を救い、息子との再会を果たしたウィンドウォーカーは、森の中へ去って行く。


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■ストーリー
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1797年。
シャイア族の村に病魔が襲い、多数の人が死んだ。
生き残った少数の仲間達は、雪原のキャンプを撤収して南への移動を始めた。
ひとつのティピの中で老人が床に伏していた。
息子は「父さん鹿を捜してくる」といい、父親の涙をぬぐいながら
「なぜ泣く」と声をかける。
父親は「感謝の気持ちだ」と言葉を返す。
息子は入り口から心配そうに中を除きこむ二人の子ども(孫達)を呼び寄せた。
「おじいさんを見ててくれ。やさしくな」

孫達を前に老人は
「心配するな。目はかすんでるがまだ見える。迷惑をかける。すまんな」
「おじいちゃん大丈夫だよ」
「死ぬの怖い」
「いいや死んだら、土に返るだけだ…。昔は若かった」
「子どもだったときがあるの」
「昔から年寄りではない」
「戦士だったんだ」

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死を目前に控えた老人は、これまでの自分の人生を回想して孫達に語って聞かせた。

「子どもの頃、わしの頭の中はパッファローとタシナのことしか頭になかった」
老人がまだ若い青年だった頃…
恋人タシナの前でフルートを吹いて聞かせる青年。
タシナの父親の元に出向き「娘をくれ。代わりに馬を」
そういって2頭の馬を連れてきた。
しかし、先客がいた。
クロウ族の男も馬2頭とバッファローの毛皮1枚を父親に差出し、娘をくれといった。
「今の女房は」
「関係ない」
母親が目でノーと合図をおくる。
青年はそのやりとりを聞いていて、クロウ族の男より沢山の馬が必要だと感じた。
クロウ族の男は青年に近寄り「ひょっこめ」と暴言を吐く。
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後日、クロウ族の男は沢山の馬とバッファローの毛皮を8枚持参して
再び「娘をくれ」と訪ねてきた。
父親がイエスの返事を出したところに、
青年がクロウ族の男が連れてきた数を上回る沢山の馬を連れてきた。
父親に向かって「馬を全部やる。死ぬまで彼女を大切にする」。
父親は一転、青年にイエスと返事をした。
こうして青年はタシナを妻にした。
なんと青年はクロウ族の村に行って、馬を盗んできたのだ。
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青年とタシナはティピで暮らし始める。
そしてタシナは妊娠。双子の子どもが生まれた。
幸せな日々が続いていた。
突然クロウ族の男が現れ、
「お前のお陰で恥をかいた。他のところに行く。いつか決着を…」と言い残して出て行った。

ある日、成長した子どもを連れて、二人は池に出かけた。
二人は池で水浴びをして、幸福を噛みしめていた。
しかし、二人を茂みから覗くクロウ族がいた。。
クロウ族の一人がタシナを馬に乗せて、連れ去ろうとする。
必死に抵抗するが落馬して死んでしまう。
青年は一人のクロウ族を殺すものの、もう一人のクロウ族に子どもを連れ去られてしまった。
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青年は残った子どもを預け、連れ去られた子どもを捜す旅に出た。
しかし、それは何年にも及ぶ旅だった。
旅の途中、見つけたクロウ族の村でついに自分の子どもを発見した。
息子を取り戻すため、夜、村に侵入。
クロウ族の馬を暴走させ、ティピに火を放つ。
息子を救い出し、「お前は私の子どもなんだ。誇り高きシャイアン族だ。これをやる」といい
息子にタシナから贈られたペンダントをかけた。
父と再会した喜びに父に抱きつく子ども。

こうして一旦は取り戻した息子だったが、クロウ族との戦いで川に流され
再び、子どもはクロウ族の手に。
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老人の話を聞いて
孫は「1人がとうさん、もう1人は」
「心残りが私を生きながらえさせた。だがもうあきらめよう。今日ですべてが終わる」
との言葉を残して、死の世界に旅立った。

残された家族は葬儀を行った。
4本の柱の上に台を築き、遺体をバッファローの毛皮で包みひもで縛って寝かせた。
台の周りには生前、本人が使っていた
弓矢とケース、バッファローのスカル(頭蓋骨)、
ウォーシールド(盾)、フルート。パイプ他などが柱に結ばれた。

「父さん、安らかに旅立ってくれ」との息子の言葉とともに、
葬儀を終えた家族6人は5頭の馬に乗り南へと向かった。
その姿を遠くから見ていた6人のクロウ族。
そのリーダーが「あれがシャイアンの若きチーフ。”白い馬の戦士”だ」
そしてクロウ族は家族を襲撃した。
雪原の中の戦い。
白い馬の戦士は二人を殺すが、クロウ族のリーダーとの戦いのさなか
別のクロウ族に背後から襲われ、大きな怪我をして動けなくなってしまった。
散り散りになって逃げる家族を追いかけるクロウ族。
家族は協力してクロウ族と戦い、
やっとのことで白い馬の戦士を除く5人が一同に集まり、木陰に身を隠した。
近くを通りかかったクロウ族は家族を見つけるが、見逃して去っていった。
家族は団結して、この状況を打破しようと子ども二人が白い馬を捜しに行った。
同様にクロウ族も白い馬を捜していた。
目的は白い馬だったのだ。
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一方、死んだはずの老人は生き返っていた。
台から転げ落ちたものの、狼たちが集まってきて囲まれていた。
ジワジワと狼に追い詰められて、岩穴に落ちてしまった。
気がついたらそこには熊がいた。その穴は熊の冬眠用の穴だったのだ。
目を覚ました熊が老人に襲い掛かる。
持っていた杖で熊を殺した老人は穴から脱出した。
だが疲労困憊で動けなかった。
気づいたら目の前に息子の白い馬がいた。

家族は白い馬の戦士を助け出し、テイピの中で一段落していた。
そこに老人が白い馬に乗って戻ってきた。
家族と対面。
「怖がるな。幽霊ではない。呼び戻されたのだ」
老人は持参した食糧を渡し、薬を作り、息子の手当てをする。
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その頃、クロウ族の4人は火を囲んでキャンプをしていた。
「もうやめよう」
「そうはいかん」
「彼は名うての戦死だ。死体も馬もどこかに消えた。あの馬には魔力があるんだ」
「魔力など関係ない。必ず捜しだす。そして頭の皮を剥いでやる。馬は逃がさん」
「馬は2頭捕まえた。もう十分だろう」
「あの白馬が欲しい。それに敵の心臓もだ」
「おれはあの女がいい」
「彼はただの戦死ではない。みんな殺される」
「臆病者め」
「うぬぼれが強すぎるぞ」
「シャイアンだって血を流す。人と同じ死にもする。お前は無腰抜けだ」
「馬ほしさに女子どもを殺すのが勇気か」
「馬は全部いただく。女もだ。日没までに。名誉をかけた戦いだ。行くぞ」

雪原の中の建つティピとホーガン。
クロウ族が襲うが、誰もいない
「もうよせ。彼らを追うのはあきらめろ」
「やつの魔力が怖いのか。うせろ」
「ばかげてる。オレはごめんだ」
「勝手にしろ」
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1頭の馬とともに移動する家族と老人達は洞穴に辿りつく。
老人は子ども二人とともに、敵の来襲に備えて様々な罠を仕掛ける。

仲間から離れたクロウ族がやってきた。
罠にかかったクロウ族に対して、
スマイリング・ウルフの敵よといって刺そうとする子どもを止める老人。

別のクロウ族が近づいてきた。
そこになだれが。一人は巻き込まれて死んだ。

「偉大なる○○よ。我らに力を」といって
子ども達の顔にペイントを施す老人。
「死を恐れるな。冬の後には春が。死の後には生がくる。すべて順繰りだ。
わしらは自然の大きな箱の中にいるのだ。
勇敢に戦え。お前達はシャイアンだ」といって戦いに送りだす老人。
捕らえられたクロウ族は、その言葉に聞いて「もしや?」と気づく。

洞穴を見つけ入ってきたクロウ族。
白い馬の戦士の妻が応戦して殺す。

また別のクロウ族も凍った池に落ちて死んだ。
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岩の上で儀式の歌を歌う、最後に残ったクロウ族。
その敵に対して、老人はペインティングをして戦いにいこうとした時
「オレはクロウじゃない。シャイアンだ。同じ一族だ」
老人は男のもとにいき、男の顔のペインティングを落として顔を見つめ
そして体の傷を調べてみると、連れ去られた子どもだった。
「息子よ!! やっと会えた。今まで生きてきた甲斐があった。
やっと息子がわしの元に帰ってきた」
連れ去られた子どもは小さいときに熊に襲われて、
体に熊の引っかき傷が残っていたのだ。

老人は外に出て残ったクロウ族と対峙する。
そのクロウ族は息子を連れ去った男だった。
にらみ合う二人。
そこに見つかった息子が、白い馬に乗ってクロウ族の前に。
戦いが始まった。
敵を倒した息子は
「これは返してもらう。オレはあんたの息子じゃない。家族の元へ返る。
命だけは助けてやる。立ち去れ」


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■解説
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●シャイアン族

シャイアンw●●
シャイアンの戦士

シャイアン族はかつてミシシッピ川流域地方で農耕の生活を送っていました。
しかし1800年代末に白人といち早く接触して銃を手に入れた近隣の
チペワ族、ポーニー族、オジブワ族などの諸部族との
抗争や侵略により北方大平原に移住。
この時期、馬を手にしたこともありシャイアン族は
特定の場所に縛られることなく、バッファローとともに移動する生活を始めましたが
最初からこの地にいたクロー族、ショショーニ族と抗争が激化。
結果的に侵略に成功して、彼等を追いやることとなった。
その後、ブラックヒルズ周辺の平原一帯を郷土として落着きました。
1800年、6000万頭のバッファローがいました。
そのような過去のいきさつもあり、クロー族とショショニ族にとっては
シャイアン族はスー族とともに、白人にもまして憎むべき侵略者でした。
リトルビツグホーンの戦いではクロウ族は斥候としてカスター側に味方しました。
数多い部族の中でも誇り高き部族として知られるシャイアンは唯一、スー族の中でも
昔ながらの暮らしと伝統を守り、合衆国政府の権威に屈することを頑として拒む
部族と同盟を結んでいました。
19世紀中頃にはシャイアン族はサウスダコタ、ネブラスカ両州の西部から
ワイオミング、モンタナ両州の東部にまたがっていくつかのグループが支配しました。

・フェイス・ペインティング

NAイラストペイント

映画で見る限りクロウ族は独特のフェイス・ペインティングをしていたようです。
この映画の中のクロウ族もそれぞれが個性的なペインティングをしています。
ペインティングだけでも十分に見る価値があります。
単に相手に顔を見られないためのものなのか、
それとも戦闘に際して行う伝統的なものなのか。
ペインティングについての解説や文献がないのでわかりませんが、
ペインテイングには相手を恐怖感を与えるという目的もあるようです。

・冬の生活
冬の雪原のシーンから始まるこの映画。
男女とも冬使用の鹿革と思われるスキンの上下服を着ています。
また子どもは毛皮の帽子を被っていますが、冬服や帽子が登場するのはとても珍しい。
冬服はバッファローの革を使うこともありました。
さらにティピには革を重ねたり、木を立てたりとリアリティにあふれています。
この映画の冒頭に登場する森の中のテイピ・ビレッジの
美しさには息を呑んでまいます。

・馬泥棒
馬はインディアンにとって最高の財産でした。
数多くの馬を持つものは富んだ者という共通の認識もあり
敵部族から馬を盗むことは生活の手段でした。
同時に馬を盗んでくることは称賛、尊敬の対象でした。
最も尊敬を集めたのは敵の身体に触れることでしたが、
馬を盗むことはその次に尊敬されることでした。
また結納の品として馬を提供する、悪くいえば人と馬の交換は極めて当たり前のことでした。
インディアン達は馬のことを”神聖な犬”と呼んでいました。
また馬泥棒を頻繁に行っていたスー族は馬泥棒の部族と呼ばれていました。
インディアンにとって最高の馬とされていたのは、
オレゴン州のネズ・パース族の乗る最高という意味をもつアパルーサという種類の馬でした。
 
・平原インディアンの武器

弓矢

盾

平原部族は様々な武器で武装していました。
白人により持ち込まれた鉄と出会う前、インディアンの武器の素材は石と動物の骨でした。
ナイフ、槍先、矢じりといったものは加工しやすい黒曜石や骨が一般的でした。
また棍棒(ウォークラブ)には石や骨が使われていました。
弓の弦は撚ったバッファローの腱、弓にはトネリコの木を使用し、
背面に腱を張り付けて補強していました。
弓は馬上で使うため1m足らずでした。
戦士は弓筒に常に20本ほどの矢を入れていました。
その20本の矢をすくれた戦士は馬上から1分間足らずで放ったといいます。
ただシャイアン族だけは太平洋岸のインディアンとの物々交換で手にした
アユの顎の骨を使用していました。  
盾の素材はバッファローの首の皮で作っていました。
すべて絵が描かれていましたが、描かれたのは守護の象徴でした。
こうした武器を手に馬に乗り、操るのですから
インディアンの騎乗技術には特筆すべきものがあります。

・インディアンにとっての羽根

チーフ3

馬のタテガミに1本の羽を結ぶ印象的なシーンがあります。
インディアンの世界では戦闘で手柄を立てた戦士は、チーフより1本の羽根を受け取ることができます。
多くは霊的な力を持つとされる鷲の羽根でした。
受け取った羽根は普通は紙に結びつけるのですが、大切は羽根を自分の馬につけるのは
馬に対する愛情の現れなのでしょうか。
鷲の尾羽根で作ったウォーボンネット/頭飾りはもともとは、スー族とシャイアン族だけのものでした。
それを近隣のブラックット族、アラパホ族、オマハ族など平原の諸部族(30部族)が
真似て広がったといわれています。
シャイアン族の場合、ウォーボンネットには戦闘用と儀式用の2種類があり、普段は専用のケースに入れていました。
 

バッファロー●
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映画の中のネィティブアメリカン達⑨ホワイトファング2-伝説の白い牙

イラスト


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●編集前記
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ウォルトディズニーの映画にはネィテイブ・アメリカンを題材としたものが多い。
共通しているのは衣装や美術他、ともかくネィティブ・アメリカンに関しての
作りこみが丁寧なことです。
この映画もそんな一本です。

「ホワイトファング2-伝説の白い牙」は1991年に公開された
「ホワイトファング」の続編として1994年に公開されました。
前作の「ホワイトファング」は動物文学の世界的傑作といわれる
ジャック・ロンドンの「白い牙-WHITE FANG」をベースにウォルトディズニーが
映画化したものです。
この映画の見所はなんといっても全篇に登場するハイダ・インディアンです。
彼等の思想や社会、生活を知るのに最適な映画です。



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▼犬と混血の狼“ファング”と少年の友情を描いた「ホワイトファング」の続編 ▼

◇◆◇ホワイトファング2-伝説の白い牙◇◆◇ 

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【DATA】
107分
1994年
ウォルト ディズニー  

原題:Myth of the White wolf
監督:ケン・オーリン
製作: プレストン・フィッシャー
脚本: デイヴィッド・ファロン
共同製作:ジャスティス・グリーン、デイヴィッド・ファロン
撮影:ヒロ・ナリタ(A.S.C.)
音楽:ジョン・デブニー

【キャスト】
ヘンリー・ケーシー:スコット・ベアーストー
リリー・ジョセフ: カーマイン・クレイグ
モーゼス・ジョセフ:アル・ハーリントン
ピーター:アンソニー・マイケル・ルーヴィヴァー
カトリン:ヴィクトリア・ラシモ
リーランド・ドルーリー牧師:アルフレッド・モリナ
ヒース:ジェフリー・ルイス

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■映画の紹介文から
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『夢に見た伝説の地を求めて、少年の冒険が、いま始まる』

前作『ホワイトファング』のイーサン・ホークに代わって、スコット・ベアーストーが
主役の座と金鉱を引き継いだ続編。
たとえ月並みであるにせよ、威勢のいい本作品の内容は、
主人公ヘンリー・ケイシーが1906年のアラスカで穏やかなハイダ族と交流し、
悪らつな牧師(ひたすら悪党ぶりをにじませているアルフレッド・モリーナ)と闘う物語だ。
ハイダ族と親交を深めるにつれて、ベアーストー扮するヘンリーは
自分自身のなかに狼を見出し、
族長のはつらつとした娘(カーマイン・クレイグ)に惹かれていく。
白い狼犬ファングも純白のメス狼に真実の愛を見る。
トナカイの移動を阻み、ハイダ族の狩人を幽閉していた卑劣な悪党に対決する
ヘンリーとファング……。
ジャック・ロンドンの原作のもつ味わいには欠けており、
むしろ低年齢層のための『ダンス・ウイズ・ウルブス』といったところ。
そこそこのサスペンス映画だがアクションは満載で、
昔ながらの昼興行向け定番西部劇にアメリカ先住民族の精神主義と
大自然への賛辞を混ぜ合わせたような作品となっている。
派手なアクション・シーンが盛りだくさんで、夏のアラスカの光景も美しい。

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■ストーリー
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サンフランシスコのホテルよりアラスカで均衡の留守番をしている
友人のヘンリー・ケーシーに手紙を書くジャック・コンロイ。
「アレックス、ベリンダとホテルの勝利をしている…
ファングが待つアラスカに帰りたい」

1906年。
ヘンリーはファングと山奥の均衡で金の採掘をして暮らしていた。
ある日、家に戻ると怪しい男が小屋の中を覗いていた。
話したら、その男はジャックのことを知っていた。
立ち去った男は後日、再びヘンリーの小屋にやってきた。
ウサギを木に吊るし、トラップを仕掛ける男。
ファングが外の異常な気配を察して外に出た。そして男を撃退。
ヘンリーは金を盗みに来たと理解し、
これまでに採った金をドーソンまで持っていくことを決める。

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その頃ハイダ・インディアンの村では部族の首長(チーフ)の葬儀が行われていた。
ドーソンの町から来た白人の神父は、
部族のリーダーのモーゼスに食糧とするカリブーがいないのだから、
島に移ったほうがいいとアドバイスするが、
モーゼスは「例えカリブーが消えても、狼が現れて導いてくれる」と答える。
モーゼスの姪のリリイはモーゼスが夢で見たという狼を見つける旅に、
一人カヌーに乗って出かける。

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ヘンリーは手製の筏でファングとともに川へと漕ぎだしたが。
川は水量が多く、流れも速い。
オールを失った筏はコントロールができなくなり、岩に激突。
川に投げ出されてしまったヘンリー。
筏に残ったファングはヘンリーを助けようと川に飛び込むが、
ヘンリーもファングも流されてしまう。
ファングはやっとハイダ族の村の近くの川岸に上陸するがヘンリーの姿はない。

ファングの鳴き声を聞いたリリイは声のほうに走る。
フィツシングホイールに引っかかっているヘンリーを発見。
救助したヘンリーをカヌーに乗せ、村に連れて帰るリリイ。

リリイが戻ってきたことを確認した村人は、歌と太鼓で出迎える。
モーゼスはリリイに「これは誰だ」
「捜していた人です」
「これがか」
「変身するのを見たの。狼が消えたらこの人が浮かび上がってきた」
「勘違いだよ。誰も変身なんかしていない。
ボクはあの狼と住んでいたんだ。でもおぼれたらしい」
「狼と住んでいた」
「そうです」
「いいことを聞いた。我が村へようこそ。私はハイダ族を治めるモーゼスだ。」
「私はヘンリー・ケーシー。シスコ出身だ」
「ヘンリー・ケーシー、ケーシー・ヘンリー、面白い名だ」

-------------------------------------------------------------------
その夜、集会場にて。
ヘンリーを前にモーゼスが語る。
「私の祖父のまた祖父の時代。母なる大地が揺れて、
白人が悪魔の親指と呼ぶ山が崩れた。
一族も大勢死んだ。だが代わりに神はカリブーを使わした。
毎年、悪魔の親指からカリブーはやってきた。
だから我々はあの山を敬い、中には入らない。
だが2年前からカリブーが来ない。8人の仲間を行かしたが、8人とも帰らなかった。
カリブーがいなければ我々はこのまま飢えて、死ぬばかりだ。
カリブーなしでは私たちの生活は成り立たない。移住しかなくなる。
夢に牧師のいう通りのお告げが出たら、私も移住を決意したが、しかし夢には狼が現れた。
カリブーへと導いた。そしてヘンリー・ケーシーが現れた」
「ボク人違いですよ。ボクに狩りは苦手だ。金は採れるけど」
「なかなか面白い」
「そうかなリリイが見た狼はボクが飼っていた。でも死んでしまった。
狩りがうまいのはあいつのほうだ」
「いやキミの中に狼が生きている。狼は姿を変えられる」
「ボクがかい。そっちがそう信じるのは自由だけれどボクは信じない」
 その言葉を聞いて周りからは笑いがこぼれる。
「出て行きたいのなら自由に出て行くことだ」

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翌日、ドーソンの町に出かけたヘンリー。
雑貨屋に立ち寄り、ハイダ族の村での一部始終を話した。
雑貨屋で働くインディアンが「なぜ助けてやらない」
「なぜ?キミはインディアンだね。だと思ったよ。じゃ、
ボクより彼等のことは分かっているじゃない。
あの人達、変な話を信じているだろう。夢のお告げとか。困ってはいるよ」
「それじゃお前は恩返しもせずに帰るのか」
「できるもんならするけどさ」
「期待されているのに」
「ボクを狼だっていうんだ」
「かもしれん」

ヘンリーを捜し続けるファングがハイダ族の村にやってきた。
ファングに歩み寄り、手を差し伸べるリーダー。
ファングも歩みよるが、直ぐに逃げ去ってしまった。

ヘンリーは雑貨屋を出て教会へ。
教会の牧師が「あわれだろう」という。
教会の前でテント生活をしているインディアン達を見て決意するヘンリー。
その夜、ヘンリーは夢を見た。
”ハイダ族の村にファングが現れた。ファングを追いかけるリリイとヘンリー。
ファングについていった二人は沢山のカリブーが生息する場所に辿りついた”
夢のお告げを見たヘンリーは翌日、雑貨屋に寄って「村に戻るよ」と話す。
つけでものを買いたいというヘンリーに雑貨屋の店主は断るが、
立ち寄ったドゥローリー牧師が「オレが立て替える」と。
「あの村の悲惨さは見て見ぬふりができないと」

ヘンリーが出発してから
牧師は「あいつがいては邪魔だ。始末するしかないだろう」と
雑貨屋の店主に殺すことを指示する。
店主は森の中でヘンリーに銃口を向けるが撃たなかった。

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牧師より借りたロバに食糧を積んで戻ったヘンリー。
リリイに「これをキミに」と白いショールを手渡すがリリイは喜ばない。
「ボクが戻ってきたのはカリブーを捜すためだ。
キミたちが信じようと信じまいが、ボクは必ずカリブーを見つけてやるぞ」
モーゼスが「ヘンリー、狼がキミを捜しにきたぞ。今夜、儀式を行う」

集会場での儀式が始まる。
ヘンリーもハイダ族の伝統的な衣装他を身につけてダンスに参加。
ダンスを踊っているところに狼の遠吠えが聞こえる。
すくざま外に出るヘンリー。
鳴き声の聞こえた森の中へ行くと、目の前に黒い狼が。
襲われる寸前に飛び出したファングが黒い狼を撃退。ファングとの再会を果たす。

夜リリイが「私の兄の服よ。狩りに着るの」と服を手渡す。
そして「あなたを誤解していたわ。ホワイトウルフ」と。

翌日、モーゼスはヘンリーに狩りについて説明をした。
「悪魔の宴の飲み物だ。これから3日間は断食をして、これだけを飲むのだ。
狩りは神聖な行為だ。動物を殺すには、体を清めねば。
心も澄ませるのだ。雑念は捨てて」

モーゼスにリリイのことを訪ねるヘンリー。
「リリイは天然痘で父母を失った。リリイが好きか?しかしハイダでは選ぶのは女だ」

狩りに出発する前にヘンリーにおじいさんの弓矢を渡すリリイ。
弓矢の達人のリリイは弓矢の使い方をヘンリーに教えた。
モーゼスの息子のピーターは狩りの同行を希望する。
モーゼスはメディスンマンにピーターが狩りに行くことについて相談する。
そしてピーターに「お前も一緒に行くがいい」という。
リリイも一緒に狩りに行きたいとモーゼスに嘆願するが、
あっさりと「女は狩りをしない」と断られる。

------------------------------------------------------------------
狩りに出発する二人。
途中、仲間の死体を発見。ピーターが近寄ると白人が銃で攻撃。
ピータは白人の前に飛び出していくが…
ヘンリーも追うが、仕掛けられた罠によって、ロープで宙吊りにされてしまう。
後を追ってきたリリイが救出。
ファングに従って、先に進む二人の前についにカリブーの群れが広がる。
その光景はヘンリーが夢で見たものだった。
しかし岩が道を塞ぎ、カリブーたちは閉じ込められていた。
岩を爆破してカリブーを外にだすことを考えたヘンリー。

偶然、二人が落ちた穴は採掘現場だった。
白人の命令によって労働を強いられるインディアン達。
そしてそこにいたのは、あのドゥローリー牧師だった。
現場からダイナマイトを盗んだヘンリーは
岩を爆破してカリブーを外にだすことに成功した。
しかしドゥローリー牧師はリリイを人質にして、馬車に乗って逃げる。
それを走って追いかけるファングとヘンリー。
その時、ピーターが突如現れ、「こっちだ!」と道案内をする。
馬車の見える崖まで来たとピーターはカラスに変わって飛びだっていった。
ファングは牧師に飛びかかるが、一緒に崖の下に落ちてしまった。
ヘンリーも馬車に飛び移り、暴走する馬車からリリイとともに脱出。
馬車は崖下に転落。
傷ついたファングを抱いて二人は無事に村に戻ってきた。
それを追いかけるようにカリブーの大群が走ってきた。

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後日、リリイはヘンリーを森の中に連れて行った。
洞穴に隠してあった金をリリイがヘンリーに渡す。
「ボクの金だ!」
「これで帰れるわ」
「ボクはここにいたい」

自分の役目を終えたヘンリーはサンフランシスコに帰ることを決意する。
村人達に別れを告げ、村を出て行くが
リリイが走ってきて「あなたを選ぶわ」とヘンリーに抱きつく。

3カ月後、ファングに子どもが生まれる。
ヘンリーとリリイはそれを素直に喜んだ。

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■解説
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●ハイダ・インディアン

ハイダ族は北西沿岸インディアンに分類されるトリンギット、ツィムシアン、
クワキウトル(クワクワカワクゥ)、ヌートカ(ヌゥチャーヌルス)、ベラ・クーラ(ヌハールク)、
チルキャット、ニスガー、ギトゥクサン、セイリッシュなどの各部族はほぼ同じ文化を
共有していました。
ハイダ族の生活圏はカナダのクイーンシャーロット周辺と
アラスカのプリンス・オブ・ウェールズ周辺です。
そして特徴はトーテムポールとカヌー、そして立派な住居です。

・リリイがヘンリーにトーテムポールについて説明するシーン。
「ひいおじいさんは狼、おじいさんは熊、あれは…。
死後にポールを立てられるのは名誉なこと。ハイダには女の族長も戦死もいたのよ」と
話すように誰でもが勝手に立てることができるものではありませんでした。

もともとトーテムポールは元々は家の大黒柱の一部として使われ、
死んだ首長の記録や家族・氏族の歴史として家族や後継者が建てた墓標として
立てられたりもしました。
トーテムホールには神話や伝承の内容にかかわる文様が描かれました。
高さは10m~20m、素材にはヒマラヤスギやトウヒが使われました。

トーテムポール●

31ケチカン・トーテム●

クジラ

・住居は本来は冬の間の居住地でした。
家屋は幅5~6m以上、奥行10m以上の切妻造りで、
ヒマラヤスギの柱と厚板材で作られました。
内部はいくつかの小部屋に分かれ、
同じクランに属する2~10世帯が一緒に暮らしていました。
また中央には共同の炉がありました。
映画に登場する村がそうであるように、村は水上交通に便利な場所が選ばれました

トーテム●

家●

・カヌーは大型の海用と小型の川用の2種類がありました。
川用のカヌーは丸太を削り、内部を彫ったものが使われ、
海用カヌーは厚板を使い、装飾やペイントが施されました。
海用カヌーは長さ15m、幅2m、50人~60人が乗ることができるほど大型のものでした。
素材にはやはりヒマラヤスギやトウヒが使われました。

カヌー 071●

カヌー先頭


・村人たちはハイダ族伝統の衣装も着ているが、
日常的には白人文化を取り入れ白人の服を着用しています。
ハイダ族の本来の衣装はヒマラヤ杉の樹皮と
シロイワヤギの毛を混ぜて織った布ものでした。
しかし春から夏は男は裸、女はスカートしか身につけず、秋になると服を着ました。
服の他、鎧なども木で作っていました。

ダンシング

・儀式のときにヘンリーが着用するハイダ族のシンボルを描いたシャツ。
他の村人が儀式で身に着ける狼などの毛皮、木製の被りものetc。
出迎えの時にモーゼスが着用している赤いマント等、狼の毛皮を被り、
顔にペインティングを施したメディシンマン達。
ハイダの伝統的な服が何度か登場します。
そうした装束に加え、歌、ダンスと儀式のシーンは見る価値があります。

模様

・ハイダの村ではこんぶやサケを干すなど、人々の日々の生活ぶりが描かれています。
ハイダ族は春~秋の時期は一部の留守番を除き、ほとんどの人間はグループに分れて、
川、海、山でそれぞれ猟をしていました。
川では鮭、海ではオヒョウ、タラ、ニシン、イカ、カニ、貝類を捕る漁労、
山ではシカ、シロイワヤギを捕る狩猟を行っていました。
そのためそれぞれのフィールドでキャンプをしていました。
ある程度の食糧を捕ると、村に戻るという生活でした。
この映画にも登場する水車と同じ原理で作られたフィッシングホイールは、
遡上する鮭を捕るためのもので、キャンプをしながら捕るというものでした。

この映画ではトナカイがいなくなり、生活に困窮するハイダ族というシチュエーションですが、
四季を通じて豊かな恵みの恩恵を受けているハイダ族としてはあまり信じられない話しです。

アラスカのアサバスカン・インディアンは
「トナカイは人が餓えていると、その肉を与えに自分からやってくるものだ」と考えていました。
  
部族名はわかりませんが、前作の「ホワイト・ファング」にも、
僅かですがインディアンが登場します。
原作ではホワイトファングはインディアンが飼育しているのですが、
映画では主人公に変わっています。


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●ホワイト・ファング/White Fang(1991)
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少年と、犬と混血の伝説の白い狼の絆を描いた『ホワイト・ファング』

ストーリー

母と死別したジャック(イーサン・ホーク)は父親を訪ねて、
ゴールド・ラッシュにわくアラスカにやって来る。
唯一の頼りである父の友人アレキサンダー(クラウス・マリア・ブランダウアー)
について犬ゾリで旅する途中、彼らは狼の群れに襲われる。
その中の一頭、狼と犬の血が流れるホワイト・ドッグを撃ち殺すが、
ホワイト・ドッグには一匹の子供がいた。
数週間後、父のいる鉱山までアレキサンダーに案内してもらうことになったジャックは、
立ち寄ったインディアンの村でアイア・タックと名づけられて、インディアンに育てられていた
ホワイト・ドッグの子供と再会する。
翌日、ヒグマに襲われかけたところをアイア・タックに救われ、
ジャックとアイア・タックの間には信頼関係のようなものが生まれた。
父の鉱山に着いた時、父が一年前に亡くなっていたことを告げられ、
ショックを受けるジャックに、アレキサンダーは金鉱の探し方を教えてやることにする。
その頃、アイア・タックは町の悪党ビューティ(ジェームズ・レマー)に連れ去られ、
金儲けのため闘犬として利用されていた。
ジャックがちょうど町に来た際、闘いに傷つき瀕死のアイア・タックを見つけて連れ帰る。
献身的な看病の末、アイア・タックも人間への信頼を取り戻していった。
ある日ジャックとアレキサンダーは金の鉱脈を発見。
しかし喜びも束の間、妬んだビューティたちが彼らの小屋に火を放つ。
逃げ場を失い、絶体絶命の彼らをアイア・タックが救うのだった。

監督 :ランダル・クレイザー
製作 :メアリーケイ・パウエル
製作総指揮 :マイク・ロベル/アンドリュー・バーグマン
原作 :ジャック・ロンドン
脚本 :ジーン・ローゼンバーグ/ニック・ティール/デイヴィッド・ファロン
撮影 :トニー・ピアース・ロバーツ
音楽 :バジル・ポールデュリス
美術 :マイケル・ボルトン
編集 :リサ・デイ
衣装 :ジェニー・ビーヴァン/ジョン・ブライト

キャスト

クラウス・マリア・ブランダウアー
イーサン・ホーク
シーモア・カッセル
スーザン・ホーガン
ジェームズ・レマー
ビル・モズリー

映画の中のネィティブアメリカン達⑧ワイオミング

マウインマン

マウテンマン2

ブラックフット2


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●編集前記
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マウンテンマンはいちばんインディアンに近いところにいた人達です。
生活圏も同じなら、生活スタイルもインディアンと同じでした。
それだけにインディアンと遭遇することは日常的なことでした。
それが故に”ホワイト・インディアン”とも呼ばれていました。
マウンテンマンはトラッパーとも呼ばれていましたが
正しくはハンター・パイオニア(狩猟開拓者)といいます。

マウンテンマンを取り上げた映画は数少なく、他には実在したマウンテンマンを
描いた「大いなる勇者」や「ミズーリ横断」といったところです。
「ワイオミング」にはブラックフット族とクロウ族が登場しますが
同様に舞台が同じである「大いなる勇者」にも二つの部族が登場します。

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▼ロッキー山脈を舞台に生活をするマウンテンマンのアドベンチャー・ロマン▼

◇◆◇『ワイオミング』THE MOUNTAIN MEN◇◆◇ 

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【DATA】
100分
1980年 
原題:The Mountain Men
制作:マーティン・シェイファー&アンドリュー・シェイマン
監督:リチャード・ラング
脚本:フレイザー・クラーク・ヘストン
撮影:マイケル・ユーゴ
音楽:ミシェル・ラグラン

【キャスト】
ビル・タイラー:チャールトン・ヘストン
ヘンリー・フラップ:ブライアン・キース
ランニング・ムーン:ヴィクトリア・ラチモ
ヘビー・イーグル:スティーブン・マクト
ジョン・グロヴァー:ネイサン・ワイズ
ラ・ボント:シーモア・カッセル
メディシン・ウルフ:デイヴィッド・エイクロイド

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■映画の紹介文から
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『ロッキー山脈を舞台に生活をする男たちの冒険を描いたアドベンチャー・ロマン』

1836年。
ロッキー山脈の自然の中でハンターとして自由に暮している
ビル・タイラーと古くからの仲間ヘンリー・フラップはある日、
泥棒インディアン、クロウ族の手から
美しいインディアン娘ランニング・ムーンを救った。
彼女は、しかしどう猛なブラック・フィート族の酋長ヘビー・イーグルの愛人だった。
ヘビーの元に戻るのを嫌がる彼女を後にして
2人は、新しい仲間、ネイザン・ウェスと共に年1回の集会に出席するために旅に出た。
集会地ポポ・アジーでは、数百人のハンター達が集まり、毛皮の売買
酒を飲んでのどんちゃん騒ぎなどが繰り拡げられた。
席上、タイラーは、友人メディシン・ウルフから魔法使いを紹介され
ウインド・リバー山脈にビーバーが多く棲息する秘密の谷があることを聞く。
その谷を探しに行く決心をしたタイラーとフラップは
ランニング・ムーンを伴いウインド・リバーを目指し出発した。
数日過ぎるうちに、タイラーは
ランニング・ムーンに恋し始めている自分に気がついた。
そんなある日、彼はひとりで罠を仕かけている時
ブラック・フィート族に襲われ、逃げ戻ったキャンプでも
さらに多くの敵たちに囲まれた。
そして、タイラーとランニング・ムーンは、なんとか逃げのびるが
フラップは捕えられ頭の皮をはがされてしまう。
今や、お互いの愛を強く感じ合っているタイラーとランニング・ムーンは
ウインド・リバーへと急ぐが
またもヘビー・イーグルに掴まり残酷な“死のゲーム"をやらされる。
が、タイラーは、再び1人脱出に成功した。
ある日、頭皮の一部を失ったフラップと出会ったタイラーは
そこでメディシン・ウルフとも出会う。
ウルフから、ランニング・ムーンが無事であることを聞いたタイラーは喜ぶが
とりあえず、ビーバー谷を求めて、フラップ、そして、ラ・ボンらと旅立った。
しかし、メディシンを尾行していたヘビー・イーグルに突然襲われ
フラップとラ・ボンを失い、タイラーはひとり残されてしまった。
ただひとつの心のささえであるランニング・ムーンを助けるべく1人で
ブラック・フィート族の村に向かったタイラーは、計略をめぐらせ
ランニング・ムーンをまんまと救出するが
目の前にヘビー・イーグルが立ちはだかった。
共にナイフをもち決闘する2人。
朝日を浴びたイーグルのナイフがタイラーの胸に刺さる寸前
一発の銃声が轟き、ヘビー・イーグルが地面に倒れた。
それは、ランニング・ムーンの憎しみをこめた一発だった。
彼女とタイラーは、やっと固く抱き合うのだった。

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■ストーリー
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雄大な風景を背景に2頭の馬が疾走する。
そしてもつれ合うように川に馬ごと飛び込む。
ビル・タイラーーの旧知の友人ヘンリー・フラップだった。
「インディアンに頭の皮をはがされたんじゃ」
「俺はそんなバカじゃない」
「今までどこに?」
「イエローストーンだ」
「オレはセントルイスにいた」
「インディアンは?」
「ブラックフットがここら辺に」
「違うクロウだ。ここ1週間、オレの馬を狙っている」
「確かにブラックフットだ」
「クロウだ」

「プラットのバッファローは少なくなった」
「ポーニーの奴等が皮を獲るんで殺しやがった」

タイラーとフラップは途中で出合った
マサチューセッツの商人のナット・ウェスとともに集会場へ行くが
集会場に行ってみたら「ポポ・アギーに来いとの貼り紙が」

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3人は野営する。
焚き火を前に相変わらず
「クロウだ」「ブラックフットだ」と言い張る2人。
翌朝、夜に盗まれた馬を取り戻してきたタイラーだが
野営地にクロウ族のクロス・オッターと仲間2人がやってきた。
「何の用だ」
「タイラー、お前の心は真っ暗だ」
「そっちが先に盗んだ」
「オレのキャンプには強い男が沢山いる。殺されるぞ」
「そっちこそ気をつけろ」
「お前は冬に我々の馬を盗んだ」
「去年の秋にお前が盗んだ馬だ」
「贈りものをくれ。静かに帰る」
「何をぬかす。もう沢山だ」
「オレ達は馬を持っていく」
「戦ってからだ」
尻を突き出して
「お前の話し方は女みたいだ。牛のクソでも食え」と挑発するクロス・オッター。

話の最中、1本の矢がクロウ族の1人を射抜く。
ブラックフット族の襲撃である。
1人が尻を突き出し「クロウのくそったれめ」と挑発する。
銃撃鮮になるが、多勢に無勢。
タイラー達は逃げるが、逃げ込んだのはブラックフットの集落だった。
戦いの中、タイラーを襲ってきた戦士を倒すが
それはブラックフット族のリーダーである
ヘビー・イーグルの妻のランニング・ムーンだった。
気を失った妻を連れて帰るタイラー。

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ブラックフットの集落では
長老とヘビー・イーグルが話していた。
「どんどん増える。このまま増えれば食べ物がなくなる。住むところもなくなってしまう」
「ではお互いに仲良くすればいい」
「奴等は我々の土地を汚す。バッファローを殺し、ビーバーを獲る。
我々のものはひとつも渡さない」

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無事、逃げ切ったタイラー達はランニング・ムーンを残して集会場に着いた。
集会場には数多くのマウンテンマンとインディアンが集まっていた。
酒を飲み、銃を乱射して、集会場はお祭り騒ぎだった。
タイラー達もその輪に加わった。
タイラーの友人のクロウ族のメディシン・ウルフも酔いに任せて
乗馬の曲芸乗りを皆の前で披露する。

タイラーはク110歳というロウ族の長老、アイアン・ヘリーの元へ相談に行く。
アイアンヘリーは
「ウインドリバーの山の中に谷がある。そこには星の数ほどのビーバーがいる。
だがそこはブラックフットの土地だ。ブラックフットがビーバーを護っている。
何年も誰も入っていない」

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翌朝、眠っているタイラー。
そこに水をかけるランニングムーン。
目を覚ましたタイラーにつっかかり、一緒についていくというランニングムーン。
部族の習慣だという。

集会は終わり、三々五々、荒野に分け入っていく仲間たち。
タイラーとフラップ、そしてランニングムーンの3人も旅立つ。
ブラックフットは相変わらず追いかけてきて、夜に朝に襲撃を繰り返してくる。
人数に勝るブラックフットについにフラップが捕らわれ、スカルピングされてしまう。

なんとか逃げ切ったタイラーはランニングムーンとともに狩猟を続ける生活をする。
ランニングムーンは食事の支度から猟の手伝いと甲斐甲斐しくタイラーを支える。
ある日の朝、起きてきたタイラーは「シャツは?」と尋ねる。
そっと新しいシャツを差し出すランニングムーンに「凄いぞ」と感動する。
ランニングムーンはタイラーのシャツがぼろぼろだったことから
毎日隠れて鹿皮のシャツを作っていたのだ。

しかし、そんな幸せな生活も長くは長くも続かなかった。
執拗にブラックフット族は襲撃をかけてきた。
手を取り逃げる二人だがついに追い詰められ、タイラーは捕らわれてしまう。
ランニングムーンもヘビーイーグルが馬で轢いてしまう。
捕らえられたタイラーは
ヘビーイーグルからランニングムーンが死んだことを伝えられ
ブラックフットの集落に連れていかれた。

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翌朝、皆の前に引き出されるタイラー。
遥か前方には1本の槍が地面に突き立てられている。
ヘビーイーグルは「逃げろ」という。
タイラーは槍を手にして走り出した。
追うブラックフット。
川まで走り、水中に潜り、ビーバーの巣に逃げ込む。
ビーバーと鉢合わせするが、しばらくして巣の中に入ってきたインディアンを一人殺す。
巣を出てさらに逃げるタイラーだが、ヘビーイーグルが追いつめ、飛びかかる。
もつれるようにして川に落ちる二人。
激流に流されながらも岸に上がるヘビーイーグルに対し、タイラーは滝つぼに落ちていく。

集落に戻ったヘビーイーグルを出迎えるランニングムーン。
ティピ内。
ヘビーイーグルは口に含んだ水をランニングムーンに口移ししたが
ランニングムーンは水を吐き出す。
自分を受け入れないランニングムーンに対し
怒ったヘビーイーグルは彼女を強引にレイプする。

時は流れ、雪が降る冬を迎えた。
逃げ延びたタイラーはクロウ族の集落を訪ねた。
しかし集落は焼かれ、全員が殺されていた。

その頃、ブラックフットの集落にはクロウ族のメディシン・ウルフが捕らわれていた。
ランニングムーンは優しく接し、食事の面倒をみていた。
そして馬を用意してメディシン・ウルフを逃がした。
それを遠くから見ていたヘビーイーグル。

タイラーは広い雪原に辿りついた。
そこには死んだはずのヘンリーがキャンプをしていた。
再会した二人は再び、猟に出た。

ある日、遠くから馬に乗った男が近づいてくる。
男はメディシンウルフだった。
ランニングムーンがブラックフット族の集落にいることを告げて死んでいく。

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二人はウインドリバーを目指した。
途中、知り合いのトラッパーと出会うが
一人は殺され、一人はブラックフット族を引き連れてきた。
再び、ヘビーイーグルと出会うタイラー。
戦闘の中、ヘンリーは矢によって死んでしまう。
一人になったタイラーはランニングムーンを救い出すため
ブラックフットの集落に向かった。
集落に着いたらヘビーイーグルが待ち受けていた。
一対一の戦い、タイラーがナイフで今まさに刺されようという瞬間
ヘビーイーグルが銃弾に倒れた。
撃ったのはランニングムーンだった。

集落を去った二人は、ヘンリーと別れを告げ
旅立った。


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■解説
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この映画の封切り年は1980年。
ほとんど西部劇が作られなくなった時代の西部劇です。
つまり西部劇では最近のものです。
それだけにインディアンやマウンテンマンのディティールが
しっかりと描かれていることに感心します。

・クロウ族と主人公のタイラーとの会話で馬を盗んだ話が出てきます。
この時代、インディアンはどの部族もまだ十分に馬が渡っていませんでした。
それだけにインディアンは馬を盗むことを
この映画の中のブックフット族もリーダーのヘビーイーグルだけが馬に乗り
他のインデイアンは歩いています。
馬はまたインディアンの女性を妻にもらうときの交換条件でした。
これといった財産を持たないインディアンにとって交換できるものは
馬しかなかったのが事実です。
インディアンは馬が欲しいがために、トラッパーに娘を提供して
馬を手にいれることもありました。
ある意味、女性は馬と交換するための道具でもありました。
それほどインディアンにとって馬は重要なものでした。

インディアンで初めて馬に乗り出したのは
アパッチ族とコマンチ族でした。
スペイン人が持ち込んだ馬が繁殖して増えていくなか
逃げ出した野生の馬を捕らえ、乗り出したのです。
なかでもコマンチ族はインディアン各部族の中でも
一番、乗馬が上手でした。
その事実を知っている白人はコマンチ族と遭遇したときは
ただ逃げるしかありませんでした。

・クロウ族のリーダーとタイラーが話をしているとき

クロウNA

リーダーがパイプを取り出すシーンがあります。
バイプを吸いあうのが儀礼で、別名ピースパイプと呼びます。
その名の通り、平和的に話そうという意志を表現しています。
インディアンは白人と真剣に話しをするとき
必ずこのパイプを持ち出します。
まずパイプでタバコを吸ってから、話し合いに臨むというものです。

・ヘビーイーグルがチーフとの会話の中で口にした
「白人の薬が我々を弱くした」という言葉がとても印象的です。
薬、即ち酒のことですが、酒の味を覚えたインデイアンは
堕落していったようです。

・タイラーとヘンリーとの会話
「夜は戦わないブラックフット。夜明けまでは人を殺さない」
という言葉があります。
インディアンの約束事なのか、それとも武士道にも似た精神なのか
分かりませんが
夜の戦闘については各個人の判断だったのではないでしょうか。

・ヘンリーの葬儀のシーン
この時代でも白人は埋葬するのが一般的でしたが
ヘンリーはインディアンの葬儀同様、木の枝で高床式の台を作り
死者をバッファローや鹿の皮で包み、台に寝かせるという風葬スタイルでした。
ヘンリーの意志なのか
それともインディアンに近い生活をした人間なのだから
インディアン式のやり方でという考えなのか
分かりませんが印象的なシーンです。

・バッフアローの毛皮
タイラーが使っていたバッファローの毛皮。
眠るときはブランケットとして、冬にはコートまたはローブとして使えるものです。
トラッパーには必需品といえるものだったと思います。

●マウンテンマン(トラッパー)と集会場

この映画の主人公タイラーのような人たちを
トラッパー(罠猟師)といいいますが、一般的にはマウンテンマンとして知られていました。
トラッパーは文明からの逃亡者で
未開の地に強く魅力を感じる変わり者でもありました。
しかしマウンテンマンはインディアンから狩猟の仕方を学び、インディアンの言葉を話し
インディアンと同じカヌーに乗り、
インディアンとは積極的に交流して、上手に付き合っていました。
また彼らはインディアンの女性を妻にすることが普通でした。
荒野での生活に慣れていることもありますが
一番の理由は皮をなめすのが上手だったからです。

ロッキー山脈を探検した最初の白人はマウンテンマンでした。
北米大陸で最初のマウンテンマンは1668年
カナダのケベック州にフランス人が入植した頃です。
しかしヨーロッパ人の志向が変わり、1839年にはマウンテンマンはいなくなりました。
マウンテンマンは幌馬車隊のガイドや政府に雇われた探険家、軍隊のスカウトに転職しました。

マウンテンマン達の毛皮を購入する毛皮商人や貿易商人をトレイダーといいました。
トレイダーはセントルイスから来ていました。
またインディアン達が持ち込んだ毛皮は現金で購入することはなく、物々交換が一般的でした。
1830年当時の相場としては
バッファローなどの皮1枚でナイフ3個または鉄のやかん1個、3枚~10枚で馬1頭でした。
毛皮はビーバー、カワウソ、アライグマ、ミンク、夜行ネズミ、スカンク、イタチなどでした。
インディアン達は他にもトマホーク、毛布、染料、ビーズ玉などと交換しました。
特にインディアンが欲しがったのは、ナイフ、弾薬、鮮やかな色の布、ガラスのビーズ、酒でした。
貿易商人はインディアンがものの価値が分からないことをいいことに
おいしいしい取引をしていました。
こうした物々交換のために、砦の周りにインディアンがティピ等で野営しているのが普通でした。

こうしたインディアンやマウンテンマン達が集まる集会場(交易所)を
ラン・デ・ブー(フランス語)といいました。
集会は山の中の定期市場であり、社交的なイベントでもありました。
この映画のように夜遅くまで歌ったり、踊ったりしました。
集会は通常7月の3週間、開催されていました。
大きな集会では2000人もの人が集まりました。

また砦の中に作られた集会場もあります。
砦に住んでいる人達はブルジョワ(フランス語)と呼ばれていました。
この映画の舞台であるワイオミング州にはララミーという有名な砦がありました。
オレゴントレイルの重要な拠点であり、毛皮取引の中心地でありました。

●クロウ族とブラックフット族

正式にはブラックフット(Blackfoot)族とクロウ(Crow)族は
スー・グループ(Sioux)の中のティトン(Teton)族の下の
ブラックフィート(BlackFeet)族に属していたバンド(小部族または支族)でした。

スー(Sioux)族―NATION

ティトン(Teton)族―TRIBES(7-TRIBES)

ブラックフィート(BlackFeet)族―SUB-TRIBES(6-SUB-TRIBES)

ブラックフット&クロウ族―BANDS(8-BANDS)

ブラックフット族は転住してきたクリー族に押されて、1700年代初期に
サスカチュワンから西と南に移り、平原インディアンとなりました。
しかし、クリー族との毛皮交易を通じてガンを知り
ヨーロッパ人とは1870年代、バッファローの数が減少し始めた頃に接触。
カナダのブラックフット族は各集団別に首長が白人と協約を結び
1877年、平穏のうちに指定居住区に入りました。
アメリカ内のブラックフット族はPiegon族ともいい
ただ一度だけ1869年に騎兵隊との本格的な交戦を経験しました。
クロウ族は別名アブサロカ族ともいいました。

・この映画ではクロウ族は上半身は裸で
下半身にはバックスキンのパンツを履いています。
対してブラックフット族は上下とも
バックスキンのシャツ、パンツを身に付けています。
これは映画上、判断しやすいということからだと思います。
髪に付ける羽根の付け方やペインティングにもそれぞの部族で違いがありますが
この映画に登場するインディアンにはとてもリアリティがあります。
特にメディシン・ウルフの髪型はとても面白い。
メディスンが付くのですからメディスンマンなのでしょうが
いかにもそれらしい雰囲気の髪型です。

・クロウ族と主人公のタイラーとの会話で馬を盗んだ話が出てきます。
この時代、インディアンはどの部族もまだ十分に馬を持っていませんでした。
それだけにインディアンは馬を盗むことに必死でした。
この映画の中のブックフット族もリーダーのヘビーイーグルだけが馬に乗り
他のインデイアンは歩いています。



映画の中のネィティブ・アメリカン達⑦幌馬車

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●編集前記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この映画の主役はインディアンではなく、開拓民です。
しかし開拓民にとって、一番やっかいな存在はインディアンでした。

この映画にはさまざまなシーンで異なるインディアンが登場します。
簡単にいえば、白人を受け入れたインディアンとそうでないインディアンと
いうことです。

邦題で同名の映画があります。
原題は「WAGON MASTER」。
1950年公開のサイレント映画です。
こちらの主人公はモルモン教徒の開拓民で
行く先はユタとアリゾナの州境の町サン・ファンです。


無声映画なので字幕はありません。
映像の間に文字が書かれた画面が登場するというものです。
BGMとしてピアノの伴奏が入っていますが
うるさいだけなので消音して観ることをお奨めします。

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511QASNGG8L._SS500_[1]


▼途方もないスケールと充実感に圧倒される最大級のサイレント映画▼

◇◆◇『幌馬車』THE COVERED WAGON ◇◆◇ 
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【DATA】
97分
1923年
 
原題:THE COVERED WAGON
監督:ジェームズ・クルーズ

【キャスト】
J・ウォリン・ケリガン
ロイス・ウィルソン
ジョン・ウォーレン・ケリガン
ロイス・ウィルソン
ジョニー・フォックス
アーネスト・トレンス
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■映画の紹介文から━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『どこまでも続く幌馬車の列』

19世紀半ばのアメリカ西部。
肥沃な大地を目指す幌馬車隊が、
大自然の驚異や白人に恨みを抱くインディアンの待ち伏せなどの障害を
乗り越えながら旅を続けていく様を、壮大なスケールで描く。
アメリカ西部の雄大な自然の中に人間の愛憎劇を織り込み
無声映画史上に金字塔を打ち立てた西部劇の名作。

遥かオレゴンを目指し、西部の荒野を一団の幌馬車隊が出発するが
数々の苦難のため脱落者や仲間割れが続出。
その上、白人に恨みを抱くインディアンが
一行を皆殺しにすべく待ち構えていた…。
無声映画史上に燦然と輝く名作。
19世紀のアメリカ西部を舞台に、肥沃な大地をめざし、
様々な障害を乗り越えながら旅を続けていく
幌馬車隊の姿を壮大なスケールで描いた名作ドラマ。

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■ストーリー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●アメリカの血は開拓者の血。
勇敢な男女の血でもある。
未開の荒野から素晴らしい文明を築いた。
未知の危険にも、不屈の闘志で立ち向かい、
ミシシッピ川やブレーリーやロッキー山脈を越えた。
彼らは西の国境を目指した。
アメリカ合衆国が二つの海で仕切られていることを知るまで。

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1848年。ウエストポート上陸場。後のカンザスシティー。
5月、ミシシッピ地域、オハイオから膨大な数の幌馬車が集まった。
全財産を積んだ幌馬車(カバードワゴン)の数100。
彼等はウエストポート~オレゴン3200Kmの旅に旅立つ。
また遥か西部の町でもオレゴンを目指す者達がいた。

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一方、インディアン達は集会を開いていた。

白人が日の沈む場所を目指している。また霧の川を渡ろうとしている。
彼等はこの巨大な武器でファローを埋め
森を根こそぎにし、大地を平らにする。
邪悪な白人を殺さねば、我々が滅んでしまう

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5月24日、プラット渓谷を渡る。
1週間で320Kmを進むが、心破れた者が一人また一人と脱落していくが
大河ブラットに到着。
川岸にはインディアンが渡し舟の営業をしている。
幌馬車1台につき10ドルだというが、幌馬車隊は断り
自分達で渡ることを決めるが、川を渡る場所について意見が衝突。
幌馬車隊はバニオン隊とウィンフィールド隊の二つに分かれ
別行動をとることに。

分かれたウィンフィールド隊は道中、ポーニー族の襲撃を受けるが
残った人達はワイオミングを超え、ロッキー山脈に分け入り
バニオン隊に続き10月にはブリッジャー砦に辿り着く。

砦はカリフォルニアで金が見つかったというニュースで持ちきりだった。

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ウィンフィールド隊は砦の外での野営。
結婚式の準備をしていた花嫁に突然1本の矢が刺さる。
火を消し、幌馬車でバリケードを築き臨戦態勢をとる幌馬車隊。

夜が明けると、インディアンは行動を開始した。
葉のついた大ぶりの木で体を隠し、一歩づつ近づいて来る一群に続いて
馬に乗った者が一斉に攻撃を仕掛けてきた。
最初は優勢だった幌馬車隊だが、火のついた矢が幌馬車に放たれたことから
燃え上がる幌馬車を取り除くこととなり
崩壊したバリケードの隙間から一気にインディアンがなだれこんできた。
形勢は逆転したが
しばらくして別の場所で野営をしていたバニオン隊が助けにきた。
しばらく戦闘が続いたが、インディァンは退散した。

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雪が降る季節。
ウインフィールドの幌馬車隊はまた旅を続けていた。
途中にオレゴンとカリフォルニアの方角を指示する標識が。
一攫千金を夢見る者はカリフォルニアへ。
当初の目的通り農地開拓を目指すものはオレゴンへ。

1849年の春。
バニオン隊に遅れて、ウィンフィールド隊はロッキーを越え、オレゴンに到着する。
こうして1年をかけた3200Kmの旅は終わった。

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■解説━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●WEST Ward Ho!
お~い、西へ行こうぜ

何万人もの東部の人が
オレゴンやカリフォルニアは農業に適した素晴らしい土地が広がっているという
伝聞を信じて、我も我もとに西へ西へと向かった。
ヨーロッパの移民達も東部には見向きもせず、未開の辺境へ旅立ちました。

そんなフロンティア(入植者・開拓者)にとって上の言葉は合言葉でした。
そんな彼等が使ったのが幌馬車である。
しかし幌馬車を買えないものは二輪車を押したり、徒歩で行くものもいました。

大草原を横切っていく幌馬車の長い列は、遠くから見ると
緑の樹海を航海する帆船のように見えることから
草原の帆船(プレーリー・スクーナー)と呼ばれていました。
幌馬車には生活に必要なものの全てが詰め込まれていました。
荷物で幌馬車が一杯になってしまうと、人間は歩くしかありませんでした。
しかし大型の幌馬車は8トンもの荷物を積めました。

雄牛や馬が引く幌馬車が1日に進めるせいぜい距離は20km。
そのうえ幌馬車にはブレーキもサンペンションもなく、乗り心地は最低でした。
幌馬車には雨、風、ほこりを防ぐためキャンバスの幌がつけられました。
幌は亜麻仁油に浸されたものでした。

幌馬車は一般にカバード・ワゴンと呼ばれていましたが
開拓者はコネストガ・ワゴンと呼んでいました。
参考までにコネクトとはペンシルバニア州のサスケハンナ河沿いに
住んでいたイロコイ族の一部族の名前です。

この部族は開拓民によって滅ぼされたが
後の開拓民がインディアンの部族名がついた幌馬車を使うとは皮肉な話しです。
この取り外しのできるコヌストガ・ワゴンを考案したのはドイツ系移民です。
幌馬車が駅馬車(ステージコーチ)に進化したのは1827年頃のこと。
駅馬車は正式にはコンコード・コーチと呼ばれていました。

3000km以上にも及ぶ旅は幌馬車で4カ月~6カ月もかかりました。
インディアンに襲われることを避けるため、まとまって一緒になって旅をしました。
その数は最低25台、一般には100台でした。

この映画に登場するジム・ブリッジャーは
伝説的なトラッパーで軍のガイドでした。
1843年にワイオミングにブリッジャー砦を築きました。
この砦はオレゴントレイルにあり、カリフォルニアトレイルが別れて
南へ向かうフェアウェルベントの近くにありました。
ブリッジャーはインディアン女性3人と結婚したとの記録が残っています。
実際、映画の中でも3人の妻のことを語っています。
映画の中ではオロカモノとウスノロと呼んでいますが。

●オレゴントレイル

ミズリー州・インディペンデンス~カンサス州フィル・カーニー砦~ネブラスカ州~
ワイオミング州ララミー砦~サウス・パス~アイダホ州ホール砦~
オレゴン州ボイシ砦~ヴァンクーヴァー砦


●この映画に登場するインディアン

この映画では幌馬車隊の出発地のインデペンデンス、ブラット川、ブリッジャー砦
の3箇所にインディアンが登場します。
それぞれの州から推察すると
ミズリー州(ミズーリ)はミズリー
カンサス州ーはオト(Oto)、カンサ(kansa)、オサジ(Osage)
ワイオミング州はアラパホ、シャイアン、ポーニーの各部族ではないかと思われます。

・出発点のウエストポートにティピが町の周囲に立っています。
そして3人のインディアンが登場しますが
一様にウォーボンネットを身につけています。
既に白人社会に溶け込んでいるインディアンが
普段は身につけないものをつけているのは映画の演出なのか
それとも自分は地位が高いということを誇示しているのか
興味深いところです。

・ブリッジャー砦のインディアンはナバホのデザインらしい毛布を身につけています。
デザインはとても素晴らしく、リアリティがあります。
それを着用しているインディアン達はもちろん本物ですが
1920年代の時代のインディアンの顔つきの素晴らしいこと。
その顔を見るだけでも価値のある映画です。

・インディアンの襲撃シーン
木の枝でカモフラージュして近づいてくるインディアン
岩の上から火のついた木を投げつけるインディアン
幌馬車を押して移動するインディアン
そしてバラバラで突撃するインディアン。

西部劇の多くは
インディアンが幌馬車隊や騎兵隊を襲撃するシーンとなると
まとまって襲撃してくるのがほとんどですが
実際の襲撃はこうだったのではないかと納得してしまうほど現実的です。

映画の中のネイティブ・アメリカン達⑥北西への道

●編集前記
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18世紀中期を背景に、アメリカ大陸における英軍のインディアン討伐を描く
小説の映画化。
後にTVシリーズされ、そこから「モホーク討伐隊」が生まれた。

北西ルートとは東海岸から太平洋へと続くルートのことで、探検家達が日本への
近道と考えていたルートのことです。
参考までにルイス&クラーク探検隊が北西ルートで
太平洋へと辿りついたのは1805年です。

一世紀近くものあいだイギリスとフランスはインディアンを巻き込んで戦争を
繰り返してきました。
そのため多くの部族が荒れ果てた土地を去りました。

この映画ではそのフレンチ&インディアン戦争に
翻弄された3つの部族が登場します。

しかし見方を変えると
インディアンも銃や布、酒をくれる白人とは仲良くしたいと考えていましたが
戦争に加担するかどうかの判断は
相手の国についたインディアンが部族の敵であるかどうかということのようです。
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北西への道


▼インディアン討伐に向かう遊撃隊の過酷な運命▼

◇◆◇『北西への道』NORTHWEST PASSAGE◇◆◇

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【DATA】
126分
1951年(日本公開●●) アメリカ1940年 
原題:northwest passage
制作:ハント・ストロンバーグ
監督:キング・ビィダー
原作:ケネス・ロバーツ
脚本:ローレンス・ストリングス、タルボット・ジェングス
撮影:
音楽:

【キャスト】
スペンサー・トレイシー
ロバート・ヤング
ウォルター・ブレナン
ルース・ハッセィ
ナット・ペンドルトン
キング・ビィダー
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■映画の紹介文から
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『インディアン討伐隊は北西へ向かう』

1750年頃のアメリカは英国の統治下にあったが、
新大陸に領土拡張を企図するフランスが凶悪なインディアンを手先として
英人開拓者に残虐な妨害を企てていたため紛争が絶えなかった。
血の気の多い造船業者の息子の青年画家ランドン・タウンは
ハーバード大学に在って教師を風刺したため放校され
メイン州キタリイの我が家に帰ったが、
婚約者エリザベスの父のブロウン牧師と前途の職業のことで衝突し、
婚約破棄を申渡され、憤懣の余り酒に勢をかりて
植民地監察官ジョンスン卿の悪口をいい危うく逮捕されそうになった。
ランドンはジョンスン卿を悪罵して捕らえられていた
奮友のハンク・マリナアと街をのがれる途中の街道で
ロバート・ロジャース少佐と知り合った。
フランス側のインディアンの根拠地の急襲を計画中のロジャース少佐は
二人を説いて、自分の討伐隊に参加させる。
討伐隊の目的地は聖フランシスのインディアン部落であったが、
途中行程は言語に絶する困難なものであった。

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■ストーリー
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●「これはフランス人がインディアンと戦った
独立前のアメリカ人の勇敢な物語である。
物語は1759年のポーツマスから始まる」

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大学で絵を学んできた絵描きの青年ラングドンは
ボストンに程近い故郷のホーツマスに戻ってきた。
町の酒場で権力者と問題を起こし、町を出るラングドン。
行き着いた酒場でロジャース少佐と出会う。
行く先を訪ねられ
「インディアンを描くため西へ向かう」と話すと
ラングドンの地図作成の能力を評価した少佐は軍への入隊を勧める。
結果的に「インディアンを描かせてやるから入隊しろ」
との少佐の言葉に納得して、地図の政策係としてロジャース遊撃隊に
入隊する。

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英国正規軍が駐留するクラウン砦。
ロジャース遊撃隊は英国軍の命を受け
5年にわたり、南下しては入植者を殺し、家を焼き払い、捕虜を焼き殺すなどの
蛮行を繰り返すインディアン討伐のために
遊撃隊の斥候であるアパッチ族と英国軍が手配したモホーク族の斥候とともに
17艇のカッターボートに分乗して、夜間、砦を出発する。

バトンモルド湾からハザート砦へ。
順調に進軍するが、この先フランス軍の砲艦が待ち受ける水路は狭く
敵に存在が知られるのを避け、ボートを運んで丘を越えることに。

再び水路を出発する前に
少佐はモホーク族を集める。
「モホーク族は偉大な戦士である。
彼等は故郷を遠く離れて、我々に力を貸すために
わざわざやってきた。任務は敵を見つける斥候。だが彼等は敵はいない!といったが
現実にいた。もし殺されていたら任務は果たせない。命令に逆らうなら砦に帰れ」
とモホーク族全員を帰すことを決める。
そのさなかモホーク族の一人が火薬と酒を持っていこうとして、隊員ともめる。
結果、モホーク族の一人が火薬を銃で撃ったことにより
隊員の何人かが負傷してしまう。
少佐はモホーク族と負傷した隊員の総勢40人を砦に歩いて戻ることを命令する。

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残った隊員達を前に少佐はこれからの予定について話す。
「目的地はアバナキ族のいるセントフランシスだ。悪名高い部族だ。諸君の有事や家族も犠牲に。
村にはその頭の皮が。何人かは去年戦っている」
そしてアバナキ族を良く知る隊員に説明させ、討伐という目的を認識させる。

士気高めた遊撃隊は徒歩にて進軍する。
モスキートに悩まされ、沼地では木の上で眠り
食事は一日一食という厳しい行軍を続ける遊撃隊。

斥候に出ていたインディアンが戻ってきた。
「ボートが敵に奪われた。敵は500人いる」
遊撃隊の退路を絶ち、追跡をするフランス軍の動きを理解した遊撃隊は先を急ぐ。
しかし、怪我や病気で次々と脱落していく隊員達。
残ったのは142名。

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アバナキの村に到着。
「夜明けに襲撃する。戦士は一人残らず殺せ。味方のインディアンは殺すな。
体に目印を書かせた。間違えるなよ。やつらのところには夢にまでみた食料が。
生きるために必要だ」

襲撃を開始する遊撃隊。
100近くある家屋(TiPi)に火を放つ。
逃げ惑うアバナキ族。

1時間の戦闘の後
残った族長や老人達を前に
「見せしめのために殺した。今度、白人の頭の皮を剥いだら女や子供を殺す」
と少佐は話す。

追跡してくるフランス軍から逃げるため
アバナキ族のカヌーで川の対岸に渡り、徒歩にて進軍する遊撃隊。
当面の目的地のメンフレメゴク湖までは10日間。
アバナキ族の村には乾燥コーンしかなく、隊員達は1日、一握りのコーンで飢え
をしのぎ、湖での釣りや猟で鱒や鹿を食べることを期待して進軍する。

一方、銃弾を受けたラングドンはアバナキ族の少年と捉えられていた白人の女性に
手助けされて隊とともに進む。

湖に到着。
早速、猟を行おうとする隊員達を少佐が止めるが…。
猟をしたいという要望もあり、少佐は隊を4つに分け
ウエントワース砦に集まることを指示する。

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4つの隊のうち、2つの隊がフランス軍に襲撃されて
生き残ったのは僅かに50名。
さらなる進軍を続ける遊撃隊はウエントワース砦に辿りつくが…。
いるはずの守備隊もいなく、砦は荒れ果てていた。
落胆する隊員達の耳に英国軍の軍歌が飛び込んでくる。
食べ物を持って、到着した英国軍。

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無事、帰還した遊撃隊は国王によって次の任務の指示を受ける。
オタワ、オジブワ、ソーク、スー、シャイアンが住む地域を通って
太平洋に向かう"北西への道"の探索であ。

除隊したラングドンに少佐は
「日本の品物を船に積んで、川を下って戻ってくる」
と話して旅立っていく。

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■解説
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フロンティア(入植者・開拓者)に対して
友好的に部族もいれば、戦闘的な部族もいますが
どのような判断をするかはインディアンがおかれた状況や
部族の中の小集団であるバンドのリーダーの判断にもよると考えられるので
一概にこの部族は戦闘的であるとかはいえません。

この映画にはカヌーが何度も登場します。
カヌーは樺の木と川で作ったカ伝統的なものですが
20人の人間が乗れるカヌーは他の映画で見たことはありません。
船首と船尾が反りあがったデザインは美しく、見とれてしまいます。

また砦に移り住んだアバナキ族の集落もまた美しい風景です。
白人の残した角材を積み上げたキャビンや砦は別として
骨組みと樹皮で作られた、ティピに似たウィグアムやロングハウス等
彼等の暮らしぶりがわかります。

集落の中にはスカルビング(頭皮はぎ)された頭皮が
大量に並んでいるシーンがあります。
その中には、なぜかドリーム・キャツチャーも吊り下げられています。

集落で二人の白人女性が救出されます。
一人は「7年前に捕まり、夫と赤ん坊を殺されました。助けてください」
といいますが
もう一人の女性は少佐に向かって
「あんたなんかさらし首よ」と反発する。
それに対して
最初の女性が「長くいたせいておかしくなったの」と擁護するが
「行かないわ。ここが私の家よ」。
結局、インディアンとの子供と思われる少年とともに
遊撃隊に同行することになるのですが。

J・ウエイン主演の映画にインディアンに連れ去られた白人を救出するものが
2本ありますが、インディアンに連れ去られる女性は実際、多かったようです。
また例え、救出されても白人社会では蔑視されるのが一般的でした。

●アバナキ族

アバナキ族(アブナキ)はニューイングランド地方にインディアンで
マサチュセッツ、ナラガンセット、ワンパノアグの各部族とともに
アルゴンキン系の小部族です。
イギリス人が持ち込んだ天然痘、黄熱病などの伝染病によって
多数の被害を受け、人口が激減しました。
上半身は裸、下半身にはモンシンのパンツというスタイルは
他の部族と一緒です。

●モホーク族

モホーク族は前回、解説しましたが
この映画の中のモホーク族もやはりモヒカン・スタイルです。
それぞれ胸や額、顔にペイントを施しています。

●アパッチ族

インディアンの中では一番、斥候として優秀といわれるアパッチ族。
この映画に登場するのはイースタン・アパッチです。
映画の冒頭、いきなり登場する
斥候のリーダーであるコンカポット。
火の水(酒)で酔っ払うといったインディアンらしいシーンです。
目が覚めて「兄貴、心配するな。キスする習慣はない」
というシーンは笑ってしまいます。
モホーク族やアバナギ族とは髪型が異なり
ロングヘアです。

またアバナキ族の集落襲撃の前に斥候にでかけた少佐が
「連中は酔っ払っているが、攻撃はまだだ」というシーンがあります。
インディアンは白人との交易の際にまず火の水を希望したといいますが
納得できる話です。

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プロフィール

北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー

Author:北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー
ネィテイブ・アメリカンの研究をライフワークとしています。研究を始めて15年。インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕の生活文化の素晴らしさと事実を多くの人に知ってほしいと思います。






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