2006-09

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映画の中のネイティブ・アメリカン達③シャイアン

20060921101402.jpg


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●編集前記
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原作は女流歴史作家のマリオ・サンドス。
その原作を映画化したのがジョン・フォードです。
監督のジョン・フォードがこの映画について次のように語っています。
「私は長い間インディアンの物語を映画にしたいと考えていた。
私はインディアンたちを心から愛している。
いまこそ、インディアンが素晴らしい民族であることを
そしてこの民族の信の姿を巨大なスクリーンの上に描き出したい」
アパッチ砦や駅馬車、西部開拓史など数々の西部劇でインデイアンを登場させた
ジョン・フォード監督ですが、この作品を監督したのは69歳。
最後の作品ですが、本人の言葉からも分かるように一番
映画化したかった物語かも知れません。

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▼インディアンの悲劇を描くフォード最後の西部劇大作▼

◇◆◇『シャイアン』CHEYENNE AUTUMN◇◆◇ 
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【DATA】
ワーナー・ブラザーズ 155分
1964年(日本公開) アメリカ 155分
原題:CHEYENNE AUTUMN
制作:バーナード・スミス
監督:ジョン・フォード
脚本:ジェームズ・R・ウェッブ
撮影:ウィリアム・クローシャー
音楽:アレックス・ノース

【キャスト】
トーマス・アーチャー大尉/リチャード・ウイドマーク
デボラ・ライト/キャロル・ベイカー
リトル・ウルフ/リカルド・モンタルバン
ダル・ナイフ/ギルバート・ローランド
レッド・シャツ/サル・ミネオ
ウェツセズ大尉/カール・マルテン
スコット少尉/パット・ウェイン
軍医/アーサー・ケネディ
ウィコウスキー軍曹/マイク・マズルキ
スペイン女/ドロレス・デル・リオ
内務長官/エドワード・G・ロビンソン
ジェフ・ブライア/ジョン・キャラダイン
スミス/ハリー・ケリーJr
プラムツリー/ベン・ジョンソン

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■映画の紹介文から
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『フォード西部劇の集大成』

1878年9月。
オクラホマのインディアン特別保護区に抑留され
飢えと病気のために絶滅寸前にあったシャイアン族は
故郷のイエローストーンを目指して長い旅に出た。
追跡を始める騎兵隊。
彼等の衝突はマスコミによって誇大に広がり
国中に批判の声が巻き起こっていった。
そんな中、厳寒のネブラスカ北部で二手に分かれるシャイアンだったが…。
”ギリシャ激におけるコロス”のように
インディアンに英語を使わさないという大胆な試み
ワイアット・アープやドク・ホリデーが登場する
ダッジ・シティの幕間喜劇的描写。
フォードならではの演出が散りばめられた魅惑の西部劇だ。

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■ストーリー
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●一日の始まり。1978年9月7日。
1年前にここに移されるとき、白人たちが言った約束の日。
それが今日の日だ。その約束を信じてここに来た。
彼等の緑豊かな故郷ははるか2400キロ北にある●


南西部の不毛の地に「内務省インディアン局シャイアン保護区」と
名づけられたシャイアン族の居留地がある。
居留地から騎兵隊の駐屯地へ集結するシャイアン族286人。
今日、上院議員団が視察に訪れる。
1年後に故郷に戻すという約束が今日なのである。
シャイアンにとって、今日は特別な日。
3人の族長とともに、朝から整列して待ち続けるシャイアン。
しかし待てど暮らせど、議員団は到着しない。
明日以降でないと来ないとの連絡が入る。
終日、待ち続けたシャイアンは居留地へ帰っていく。
シャイアンの子供達に英語を教えるデボラは司令官に言う。
「政府に訴えてください。最初シャイアンは1000人いたのに
今は286人しか残っていません」
デボラとともにシャイアン族に理解を示すアーチャー大尉だが
立ち去ろうとする族長のダル・ナイフとリトル・ウルフに
「何も変わりはしない。保護局はこれまで通り、服や食料を供給する。
お前達は法に従う。覚えておけ」ということしか言えなかった。
「我々は多くのことを覚えさせられる。白人は何も覚えておかない」
そしてデボラに向かって「あなたは我々のために真実を言った。
我々はこのことを決して忘れない。だが学校はもう終わりだ」
「そんな子供たちが可愛そうよ」
「子供達は、そんな言葉を覚えないほうがいい」
「悪いのは言葉ではなく人間よ。あなたも英語を話しているわ」
「学んだのはずっと昔だ。昔は正直な白人がいた」

●歴史では注程度の出来ごとがこうして始まった●

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白人の約束は信じられないと判断したシャイアン族は
故郷イエローストーンに戻ることを決意する。
シャイアンに信頼されていたデボラは彼等と行動をともにする。
彼等は土の中に隠していた武器を取り出し、北へ向かう。
後に残ったのはティピのポールだけである。
アーチャー大尉はシャイアン族に同情しながらも
彼らを追跡する任務に従わざるを得なかった。
騎兵隊の追跡が始まる。

シャイアン族と追う騎兵隊との間で二度の交戦があったが
シャイアンはさらに北を目指した。
その途中、長老のトール・ツリーが死亡。
死の直前、二人の族長を前にビーズの袋をリトル・ウルフに手渡し、
後継者の指名をするが、ふたりの族長の間にひとつの確執が生まれる。
「お前の息子はオレの妻を狙っている」
「ありえない。オレの善良な血を継いだ息子だ。善良な血筋だ」
「血は同じでも別人だ」

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●見つからないよう辺境の地を選んで進むシャイアン。
そこには樹木も獣もなく、厳しい飢えが彼らに常につきまとった●


800kmの逃避行後、バッファローが北から下りてくる場所に着くが
既に白人のハンターによってバッファローは取りつくされていた。
それでもシャイアンは、故郷まで1500Kmの地点まで進んでいった。
その時に彼らが見たのは鉄道であった。

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●長い追跡のうちに地形も季節も変わっていった。
追う者にも追われる者にも、飢えと疲労が誘った●


故郷まで残り1100Kmの厳寒のネブラスカ北部。
雪の中、食料もなく、シャイアンは決断をすることになる。
ダル・ナイフは近くのロビンソン砦に投降することを選択。
リトル・ウルフは故郷を目指すことを選択するが
どちらにつくか皆に決めさせようということになる。
リトル・ウルフは
「あの希望はどこにいったんだ」とダル・ナイフに問いかけるが
ダル・ナイフは「腹をかきむしる飢えが希望をかき消した」と答えるだけだった。
ともに苦しんだ1300Kmの旅の後、シャイアンは分裂することとなった。
ロビンソン砦へ投降したダル・ナイフと婦女子と老人達。
当初は暖かいもてなしをした司令官も
本部からの「シャイアンを南へ移送せよ」の命令に対し
零下10度の倉庫にシャイアンを閉じ込める。
ダル・ナイフは「南に戻るならここで死ぬ。あそこには生活はない」
と決断、隠し持った武器で決起の準備をする。
一方、アーチャー大尉は彼らを救出するため、インディアン局を管轄する
内務省のシュルツ長官のもとへシャイアンの窮状を訴えに行く。
留守にしている間、シャイアンは交戦の後、砦を脱出。

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辛うじて生き残ったシャイアンは
保護区から1900Kmの地点でリトル・ウルフの一行と再会する。
しかし、再会もつかの間、大勢の騎兵隊が集結した。
だがその中にシュルツ長官の姿が。
臨戦体制をとる司令官を制止して、シュルツ長官はアーチャー大尉を伴い
ダル・ナイフとリトル・ウルフのもとへ話し合いに出向く。
「我々は多くの約束を破ってきたが、私は約束ではなく賭けを勧めにきた」
「白人言葉はどれも同じだ」
「話で油断させて、兵隊が…」
「頼むから聞いてくれ。君らは実に勇敢な旅をした。
故郷に戻って平和に暮らすに値する。
この事実を知れば国民も納得するだろう」
「国民に誰が話す。ロビンソン砦のことを一体誰が?」
「私が話す。約束する。この勝利の洞穴でたった今、勝利をつかめ」
シュルツの言葉に二人の族長は納得した。

新しい服を着たシャイアン達がアーチャー大尉の部隊に護られて
故郷のイエローストーンに到着した。

●しかし、まだ彼等には癒すべき傷と埋めるべき溝があった。
まだシャイアンの地に戻っていない者もいた●


部隊が去った後
自分の妻を奪ったダル・ナイフの息子レッド・シャツを射殺したリトル・ウルフ。
自分の種族は決して殺さないという誓いを破ったリトル・ウルフは
長老トール・ツリーから受け継いだバッグをダル・ナイフに手渡し
妻と共に仲間達と別れ、旅に出る。

●こうして平和が訪れ、長の中の長を示す印が手渡された。
同族の血を流した者に、これを持つ資格はないのだ●


注:●の部分は映画のナレーションです。

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■解説
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リトルウルフ・ダルナイフxx
リトル・ウルフとダル・ナイフ

1876年6月、シャイアン、スー他の連合軍がカスター中佐率いる
第7騎兵隊350人を全滅させた「リトル・ビッグホーンの戦い」。
その2年後、米国軍隊はインディアン撃滅に本腰を入れはじめた。
激しい戦いに敗れたシャイアンは武器を捨てて、マイルズ将軍のもとに投降。
シャイアン960人は故郷のイエローストーンを離れ
オクラホマ州の指定居留地で生活を始めるが、医療施設のない居留地で
マラリアや飢えのため子供50人を含む大半の生命が奪われてしまう。
それでも我慢しながら白人が約束を果たすのを待つが…。
脱出を決めたシャイアンはついに1878年9月9日の夜
2400Km彼方のイエローストーンへの脱出を決行する。

この映画は上記の史実に基づいた300人のシャイアンの長い脱出行と
彼等を追跡した1万人に及ぶ騎兵隊との死闘の記録を映画化したもので
迫害される少数民族の悲劇を、任務遂行と良心の間で苦悶する将校の目を通して
見事に描いています。
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迫害される少数民族の悲劇を、任務遂行と良心の間で苦悶する将校の目を通して
見事に描いた傑作ですが、
・この映画でジョン・フォード監督は当時の白人達の
インディアンに対する考え方や対応の仕方を描くということ忘れていません。
政治家、兵隊、クェーカー教徒、一般市民、カウボーイ他
色々な立場の白人達がインディアンをどう思い、考え、どう理解し
どう接してきたかということがインディアンの苦悩とは別に描かれています。
そんな象徴的なシーンが途中、ダッジシティの町にシーンが変わるところです。
町の酒場でポーカーに興じるワイアット・アープとドク・ホリデイが登場。
シャイアンが来るという噂で町は市民軍を結成します。
そして女性も混じって、わざわざシャイアンを見に
馬車を連ねて出かけていきます。

また新聞はシャイアン族と騎兵隊の間の戦いを大げさに報道、シャイアンに出合
ったカウボーイはインデイアンを一度、撃ちたかったといって射殺するなど
当時の時代背景や状況を伝えています。

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・死んだ長老を土葬するシーンがあります。
小さな岩山の開いた部分にそのまま死体を入れて、上から岩を落として
開いた入り口を塞ぐのですが、本来はシャイアンは火葬ですが
旅の途中ということからの判断なのでしょうか。

・リトル・ウルフがダル・ナイフの息子を射殺するシーン。
本来、シャイアンの族長は女性問題でやきもちを
やいてはならないことになっています。
例え妻が他の男と駆け落ちしても、自分が傷つけられたとか
復習をしてやるとか次元の低いことは考えないといういうのが
一般的だった。
それからするとおかしいかもしれませんが、法律ではないので
厳守することもなかったのかもしれません。

・冒頭シーンに登場するティピ・ビレッジ。
色彩や絵の無いティピに、ペインティングの無い馬。
着ている服は白人のもの。
不毛の地での夢のない生活の象徴なのでしょうか。
この映画では様々な小道具が登場します。
ピースパイフ、フルート、トラボイ、ウォークラブ、ビーズワークを施したバッグ
赤ん坊を背負う保育器他。
そんな小道具を注意深く見るのも楽しいものです。

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■印象に残った言葉
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・北へ旅立つ前に居留地に駆けつけたデボラは
「長老は弱ってて、とても長いたびに耐えられないわ」とダル・ナイフに告げるが
「1Kmでも故郷に近づいて死ねれば本望だ。ここでは死ねない」

・騎兵隊との交戦後。
傷ついた子供や死んだ女性を前にしてデボラは二人の族長に
「妻子のことを考えないの」
「私は妻達に息子を生んでもらいたい。だが私の故郷以外では生まれて欲しくはない」
「犬でさえ好きな所に行くのに、我々はそうではない」

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● 編集後記
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インディアンをテーマとした映画だけに、シャイアンには330人のインディアン
が登場します。
ですが、西部各州を探してもその人数のシャイアンを見つけ出すのは不可能だった
らしく、撮影場所ともなった北アリゾナ州から南ユタ州に及ぶナヴァホ族から選ん
でシャイアンを演じさせたということです。
そうした協力が得られたのも、ジョン・フォードが過去に貧困に苦しむナヴァホ族
を見かねて再三、映画の仕事を紹介してあげたという経緯があったからこそです。
ジョン・フォードはナヴァホから完全な信頼を得て「背の高い指導者」という特別
の愛称で呼ばれていたそうです。


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映画の中のネイティブ・アメリカン達②ワイルド・アパッチ

20060921101133.jpg


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●編集前記
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西部劇映画には、白人が正義でインディアンが悪という図式の映画が数多くあり
ます。西部劇を西部開拓史と考えたら、白人開拓者VSインディアンという図式は
当然のことですが、白人にもいい人も悪い人もいるように、インディアンも同様
です。
よくいわれる、白人にとっていいインディアンとは『死を選んだインディアン』
ということになりますが、勇猛果敢なアパッチ族はその意味では、白人にとって
悪いインディアンとなるのでしょう。それだけに西部劇の世界ではインデイアン
といえば、アパッチ族というように敵役として登場する機会が多い部族です。

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ワイルドアパッチ


 ▼名優バート・ランカスターのウェスタン大作▼

◇◆◇『ワイルド・アパッチ』ULZANA’S RAID◇◆◇ 


【DATA】
 ユニヴァーサル 103分 
 1972年(日本公開1972年)
 原題:ULZANA’S RAID
 監督:ロバート・アルドリッジ
 制作:カーター・デ・ヘブン
 脚本:アラン・シャープ
 撮影:ジョセフ・バイロック
 音楽:フランク・デボル

【キャスト】
 ウルザナ/ホワキン・マルティネス
 マッキントッシュ/バート・ランカスター
 デブリン中尉/ブルース・デービソン
 斥候ケニティ/ジョージ・ルーク
 軍曹/リチャード・ジャツケル
 ケーツ大佐/ロイド・ボックナー
 カートライト少佐/ダグラス・ワトソン
 ルキーサー/カース・スゥェンソン


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■映画の紹介文から━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『騎兵隊とアパッチの壮絶な戦いの中、滅びゆくインディアンへの
深い愛情と理解が感慨を呼ぶ』

西部開拓も終了期に入ろうとする1880年代なかば。
シャイアン、スー、コマンチ、アパッチ等のインディアン各種族は
次々と敗れ、居留地に押し込められていた。
平和が訪れたアリゾナのローウェル砦の騎兵隊に、アパッチ脱出の報が
届けられた。率いているのは残虐で知られるウルザナ。
20余名の騎兵が選ばれ、歴戦の老勇士を案内役に追跡行は始まった。
指揮官は初陣の若い中尉。

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■ストーリー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼1880年、アリゾナのローウェル砦の中にあるネイティヴアメリカンの保
留地/サン・カルロスNAリザベーションから、アパッチ族のリーダーの一人
のウルザナが息子や仲間8人とともに脱走。
砦の騎兵隊は、入植者(開拓者)達に「ウルザナが逃げた」との伝令兵を出すと
ともに、騎兵隊は早速、追討隊を組織。
若く経験の浅いデブリン中尉は小隊を率いて、アパッチ族に詳しいベテランの
斥候(スカウト)のマッキントッシュを補佐に、追跡を開始する。
一方、伝令兵が入植者を伴い馬車で砦に向かう途中、ウルザナ率いるアパッチ
が襲撃する。
伝令兵は自害し、生き残ったのは子供一人。

やがて追討隊が到着するがアパッチは去った後だった。
デブリン中尉はマッキントツシュに訊ねる。
「なぜ、子供を殺さなかった?」
「よくある気まぐれだ」
「女を犯していない」
「死んでたからだ」
追討隊は子供の父親の家へと向かうが、家を守るため一人残っていた父親は、
既に惨殺されていた。

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▼その夜キャンプを張る追討隊。
デブリン中尉はアパッチ族の斥候のケニティに、
昼間、惨殺された父親の殺され方について訊ねる。
「なぜ、あんなだ。なぜ残忍なのだ?理由は何だ?」
「性格だ」
「でもなぜ?」
「性格だ。もともとああいう人間なのだ」
「君もか?あんな殺し方を?」
「やる。力を奪うためだ。死ぬ者は殺した者に力を奪われる。
 死んだら力が抜けるのだ。火と同じだ。火は長い間燃えて、人が温かくなれる」
「では、時間をかけて人を拷問し、苦しむのを見ていれば力を取れると?どん
 な力だ?」
「この土地で生きていくには力が要る。あんたは知らん」
「知りたい。理解したい」
「ウルザナは居留地にいて、力が弱くなっている。鼻には居留地の匂いが。
 年寄りの匂いに、女の匂い。犬や子供の匂いも。
 年寄りの匂いがついた男は年寄りだ。
 新しい匂いが要る。走る馬、焼き討ちの匂い、弾丸の匂いが力だ」
「子供は助けた?」
「子供から力は取れない。男からだけだ」
「では大勢殺すのか」
「殺す」

ケニティの言葉に納得できないデブリン中尉は
マッキントッシュに訊ねる。
「アパッチが憎いか?」
「いや」
「私は憎い」
「こんなことをいっても慰めにはならんが、白人の大半はおなじ気持ちだ。
 きみはなぜ違う?」
「憎んでも無意味だ。恐れるほうが長生きできる」

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▼翌日、追跡を続ける追討隊は水場に到着する。
しかし、僅かばかりの水場には殺された馬の死骸が放置されていた。
中尉はケニティに訊ねる。
「くそ!やつらの狙いは?」
「こちらの馬を減らして、追跡をやめさせたい。
 白人は歩きに弱い。アパッチは歩ける」

その頃、ウルザナは追討隊の目をくらますため、策をこうじていた。
ロープで前の馬と後ろの馬の尾をつなぎ、岩場に差し掛かったとき、次々と岩場
に飛び移るアパッチ達。
馬の先頭と最後だけに人が乗り、下馬したアパッチは追討隊を待ち伏せするつも
りなのだ。

追討隊はウルザナ達の馬の足跡を見つけるが、
マッキントッシュはそれを見て、
「馬が乗り手なしで走っている。乗っているのは前後だけだ」
 中尉は聞く。
「テキは降りたのか?」
「そうだ我々の後方で。確かだ。馬の走りが軽い」
「奇襲か?」
「違うだろう」
「我々には山まで追わせて、自分から迂回して行く。その間に我々は馬を失くす」
「追わねば」
「敵は先行してほくそ笑む」
「やられたな」
「先にミスをしたほうが墓穴を掘るんだ。狙いはいい。だが裏をかける」
「方法は?」
「オレの馬を先にいただく」

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▼翌日、一人スカウトに出たマッキントッシュはアパッチの馬群に追いついた。
1人を撃ち殺す。殺したのはウルザナの息子だった。
その光景を双眼鏡で見ていたウルザナ。

追討隊は交代の馬を確保するため、近くの農家に出向くが
家は焼かれ、妻はレイプされ、夫は殺されていた。
中尉はケニティに訊ねる。
「ウルザナはどうする?」
「今は息子の恨みを晴らすことしか考えていない。仕返しだ。多くの死が必要だ」
「どうする」
「ウルザナは馬を2頭とったが、もっと要る。なければ部下は居留地へ。
 アパッチは書類にサインした兵隊ではない。いいときだけ戦う」
「襲撃はもう終わりか」
「ウルザナは部下に力を与えないと。だめなら終わりだ」
「その力と馬はどこで」
「あんたらだ、殺してとるつもりだ」
「襲ってか?」

追討隊は今後の作戦を検討。
中尉はマッキントッシュに訊ねる。
「奥さんはどうする」
「そりゃ砦まで送らせる」
「何人で」
「軍曹と6人で」
「兵が減る」
「仕方ない」
「なぜ」
「奥さんを砦へ帰さなきゃ」
「アパッチは女は犯して殺すのが普通だ。なぜ奥さんは助けた」
「死んだと思って」
ケニティが口を挟む。
「送っていくのを承知で生かしておいたのだ。護送の兵を襲う」
マッキンは中尉にいう。
「アパッチ戦では次の動きを読めたら、勝ち目がある」
「故意に誘わせて逆襲。それなら勝てる」
「しかし、誘いが敵を有利にすることも」
「分かる。護送隊ほ危険にさらす。奥さんも」
「そうだ。だからやるかやるかだ。ケニティの考えも聞け。
 ウルザナの部下は山歩きで疲れる。食い物も悪い。
 やがて居留地の肉と女房が恋しくなる」

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▼翌日、追討隊は罠を仕掛ける。
砦に奥さんを連れて帰るように見せかけるために、追討隊と奥さんを連れて砦に戻
る隊の二手に別れ、砦に戻る隊が襲撃される前に駆けつけると画策するが、追討隊
が駆けつけるより先に峡谷で襲撃を受けてしまう。
銃撃戦となり、次々と撃たれる騎兵隊。
奥さんとマッキントッシュだけが残ったところに駆けつけるケニティ。
目的としていた騎兵隊の馬を奪うことができなかったうえに、騎兵隊のラッパの音
色が聞こえたことから、諦めてその場を去るウルザナ。
しかし、ウルザナの前にケニティが立ちはだかる。
二人は向き合うが、突然、歌を歌いだすウルザナ。
そして観念してケニティに撃たれる。

ケニティはデブリン中尉に
「チリカウァ・アパッチのウルザナだ」と告げる。
デブリン中尉の「埋めろ」の指示に兵隊が動くが、ケニテイは兵隊を制し
「いや、俺が埋める」という。
マッキントッシュは死を覚悟して、一人現場に残ることを選択する。
デブリン中尉と騎兵隊は任務を終え、砦に帰る。

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■解説━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アメリカのインディアン問題に正面から取り組み、浮き彫りにした西部劇です。
インディアン居留地を飛びだし、自由の獲得を目指したアパッチに対し、「居留地
より逃亡したインディアンは、これを追跡、逮捕すべし」という軍規に従い、追討
する騎兵隊とスカウト達の数日間を描いています。双方とも緊迫した状況の中、印
象的シーンがいくつかあります。

・伝令兵が入植者の奥さんと子供を伴い、砦に戻るシーン。
アパッチの襲撃を受け、伝令兵はすぐさま一人で逃げようとするが、奥さんのヘル
プ!の声に戻るが、奥さんを射殺。
子供を馬に乗せ走りだすが、アパッチに撃たれ落馬。
そして自分の銃を口に突っ込み。自害する。
またアパッチは馬車からすべてのものを奪い取り、奥さんの指輪も外そうとするが
取れないため、ナイフで切り取ろうとする。
そこに子供が走り寄り、外してアパッチに手渡す。

・入植者を襲うシーン。
双眼鏡で十分に偵察してから、家に火を放ち、伝令兵から奪ったラッパをラッパ兵
同様に上手に吹き、安心させておびきだす。
戸から出てきたところを捕らえ、殺害した男の飼い犬の尻尾を口に咥えさせ、縛り
あげた後、火で焼き惨殺する。

・夜のキャンプ・シーン
中尉と軍曹との会話。
中尉「父に聞いてみたい」
「何をです」
「なぜ残酷なのか。彼等とて我々同様に神が培われた人間だろう」
「アパッチには目には目を、歯には歯をです。それしかない」
「イエスの教えは違う」
「確かに。でも奴等に左の頬を出すものはいません」

それぞれのシーンには意味がありますが、とにもかくにも、この映画でのアパッチ
は狡猾で残忍というふうに描かれている。

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さて、マッキントッシュはインデイアンの女性と暮らしていることが最後に明らか
になるります。つまり、インディアンが基本的には好きなんですね。
インディアンの生き方に尊敬の念を抱いていたのだと思います。
それだけにケニティとは言葉を交わさなくても通じ合う。
そして二人とも軍のスカウトの仕事をしている。マッキントッシュはインディアン
は好きだけれど、仕事としてルールを守らないインデイアンは討伐しなければなら
ない。ケニティも同様に義理の兄とはいえ、軍と契約しているから任務を全うし
なれければならないという、それぞれにジレンマを抱えている。

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前回紹介した「アパッチ」に登場するアパッチはベスト着用が多かったが、この映
画のアパッチは全員がジャケットを着用している。
特にウルザナは、ビーズワークと思える円形の大きなエンブレムをジャケットの両
胸に付けている。またシャツも洒落たものを着ている。そして腰には短銃(ガン)と
携帯している。インディアンが短銃をもっているのはとても珍しいことである。

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主人公のウルザナはチリカファ・アパッチという設定ですが、チリカファ・アパッ
チについては前号で説明しましたが、コロラド、アリゾナ、メキシコ、ニューメキ
シコに居住していました。
コロラド、ニューメキシコは元々、コマンチ族が居住していましたが、1717年、
戦いをして奪いとりました。
しかし同時期、近隣のプエブロやスペイン人とは仲良くやっていました。
地域的には「サザン・グレート・プレーンズ」に分類されます。

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■印象に残った言葉
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「ウルザナの妻は俺の妻の姉だ。だが、みにくい。俺の妻はきれいだ」

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● 編集後記!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて今回、紹介しました『ワイルド・アパッチ』はロバート・アルドリッチとバー
ト・ランカスターが再び手を組んで制作したもので、実際にアリゾナで起きた事件
を基に描いた西部劇です。
主人公のアパッチ族の戦士の名前こそ異なるものの、ストーリー自体は前作の『ア
パッチ』とほぼ同様です。
二度にわたって同様の映画を製作した二人はよほど、この素材が気にいったのだと
思います。別の側面でいうなら、アメリカのインディアン問題に正面から取り組ん
でいたロバート・アルドリッチ監督のこだわりだったのかも知れません。
このワイルド・アパッチではアパッチ族がいかに手強い戦士であるかが、描かれて
います。
さて、ストーリーで、アパッチ族と主人公の会話を数多く紹介しました。日本語の
字幕なので、正確な言葉は分かりませんが、会話の中にアパッチ族の考え方や生き
方、価値観というものが見えてきます。またアパッチVS騎兵隊の心理的駆け引きを
知っていだくためです。


映画の中のネイティブ・アメリカン達①アパッチ


●今月中に再開いたします。

【半年も更新ができませんでした。この後、アラスカのインディアン&エスキモーのカヌー&カヤック、カナダのインディアン&イヌイットのカヌー&カヤックについて解説していく予定でしたが、十分な準備ができていませんでした。今月中には再開したいと考えていますが、それまでの間、まぐまぐにて発行しているメールマガジン『映画の中のネィティブ・アメリカン』を掲載させていだきます】

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映|画|の|中|の|ネ|イ|テ|ィ|ブ|・|ア|メ|リ|カ|ン|達■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●メルマガ趣旨
インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕を正しく理解するために、彼らが登場する映画の中で、ネイテイブ・アメリカン達がどのように描かれているかを解説・紹介することを目的としたメールマガジンです。

注:インディアン、エスキモー、イヌイットなどの先住民族に関しては、ネイティブ・アメリカン&カナディアン、ネィテイブ・ピープル、ファースト・ピープル、ファースト・ネイション等、様々な呼称の仕方がありますが、当メルマガでは総称してネィティブ・アメリカンを使用しています。
ただし、本文ではインディアン等の直接的な表現をすることもあることをご了承ください。

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アパッチ


アパッチ族を忠実に描いた快作
【アパッチ/APACHE(1954年)MGM】

 ・84分
 ・制作:ハロルド・ヘクト
 ・監督:ロバート・オルドリッチ
 ・撮影:アーネスト・ラズロ 
 ・キャスト:マサイ/バート・ランカスター
       サントス/ポール・ドルフォイル
       サントスの娘/ジーン・ピータース
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●『かってたった一人でアメリカ軍隊に立ち向かったインディアンがいた』
アパッチ族の族長ジェロニモがアメリカ合衆国に降伏する。
ジェロニモとその部下たちは、列車でフロリダに護送される。
しかし若き戦士マサイは、ただ一人脱走に成功。
長い旅の末、故郷に戻ったマサイを待っていたのは、白人に骨抜きにされ、変貌した仲間だった。
仲間の裏切りにより、再び捕らえられたマサイだか、護送中に再び逃亡。
マサイは非常な白人と裏切りに対して、たった一人で無謀な戦いをアメリカの騎兵隊に立ち向かった
アパッチ族最後の勇士マサイの伝説を映画化。

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■ストーリー 
舞台は1886年のアリゾナ。既に保留地に押し込まれ生活しているアパッチだが、ジェロニモ、マサイを中心とした何人かは幾度となく居留地を離れ、かつ反乱を起こした罪でフロリダに送られこととなった。
アルバカーキ~セントルイスを経て、フロリダのマリオン砦へと鉄道にて移送されるが、フロリダに到着する前にマサイは逃亡、辿りついたのはセントルイスである。
 ネイティブ・アメリカンがいきなり飛び込んだ白人の文明社会。
初めて見る、レストランで食事をする紳士淑女達、靴磨き、バンドが奏でる音楽と様々な楽器。
目に映るものがすべて珍しいが、インデイアンであること見抜かれ、逃亡することになる。
行き着いたのは、チェロキー族が住む保留地。
 ある家に忍び込んだマサイは、その家の主人と出会う。
主人をナイフで殺そうとしたマサイに対し、
『オレは仲間だ』
『何族だ?』
『チェロキーだ』
『この土地もか?』
『ああオクラホマと呼ばれている』
『何族だ?』
『アパッチだ』
『アパッチの土地ははるか彼方だ』
『家を見た。白人の家だ』
『マイハウス!』
『白人もチェロキーも変わりない』
『白人との戦の度、西へ追いやられた。カロライナ~テネシー~最後にオクラホマ。チーフは考えた。戦も逃げるのもやめようと』

 当時、チェロキーはいち早く白人と話し合い、白人社会と共存する道を選択している。
また早くから丸太小屋に住んでいる。
その当時の状況がよく分かる会話である。

さて会話の続きであるが、
『里に戻らねば』
『ここで暮らせ。保留地に戻っても何もない』
『戻る』
『タラクアの種だ。地にまけ』
『アパッチは戦士だ』
『チェロキーも戦士だった』
『白人社会を見ても分からんのか。戦士は終わった。オレたちは白人を真似、共存できたのだ。
 タラクワの種で同じことをやれ。キミの仲間も』
 彼の意見を聞き入れず、深夜窓から出ていくマサイに対し、
『せめてドアから出て行け』
 といわれても窓から出て行くマサイ。
 しばらく経って、タラクワの種を取りに戻るマサイ。

 タラクワとは彼らチェロキー族の言葉で、とうもろこしのことである。

 長い苦難の旅の末、故郷に戻ったマサイが見たのは、
道路工事に従事するかっての仲間達だった。
ジェロニモがいなくなった後の族長となったサントスのテントに忍び込んだマサイはサントスと再会。舞い戻ったことを祝って二人で酒を酌み交わす。
『この地酒も久しぶりだ』とマサイ。
そしてタラクアの種を見せ、『チェロキーはとうもろこしを作り、白人と共存している。オレたちもタラクアの種をまこう』とサントスに迫る。

 ここのシーンで二人が飲んだ地酒は不明であるが、タラクアを栽培するようになってからは「ティス・ウイン」と呼ぶ、とうもろこしをベースにした発酵飲料をアパッチ族は作っていた。

 さてサントスの裏切りにあい、再び捕らえられたマサイだが再度逃亡。戦士であることにこだわり、一人で軍隊と戦うことを決意する。
アパッチ独自のゲリラ戦術で軍隊を混乱させるが、最後には軍隊の手が
愛する女性と暮らす家に迫る。マサイを狙うのは軍隊とかつての仲間達。
ひとり勇猛果敢に戦うが、ついに降伏することとなる。
 妻と二人で育てたタラクアの畑を見て、軍隊の将校が『アパッチが始めて作物を育てた。手本にさせたい』と話すシーンが印象的である。

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■解説
 アパッチ族は25年に亘って軍隊と戦った、戦闘的で勇敢なことで知られる部族である。
 アパッチには大きく分けて、ヒカリラ・アパッチ(Jicarilla)とメスカレロ・アパッチ(Mescalero)、チリカファ・アパッチ(Chiricahua)、リパン(Lipan)の4つの部族がいた。
 有名なジェロニモは元々はベドンコ-エ・アパッチであるが、後にチリカファ族に加わったといわれている。
 ちなみにジェロニモとともに有名なチーフ・コチーズやチーフ・マンガス・コロラドもチリカファである。
 この映画の主人公のマサイはチリカファであり、ジェロニモとともに戦ったバンド(小部隊)の部下と思われる。
 マサイ/Masaiは実在の人物で、別名をBigFoot/ビッグフットといい、戦士(ウォーリアー)およびアウトローとしての記述が残っている。20年に亘って、アリゾナとメキシコで自由に暮らしたという。
 マサイの死後、アリゾナのチリカファ・ナショナル・モニュメント内にマサイ・ポイントとマサイ・キャニオンと呼ばれる場所が残されている。
 この映画には本物のNAが多数、出演している。
 サントスも保留地の仲間、スカウト(斥候)、チロキーもNAである。
また冒頭シーン、保留地で暮らすNA達が登場するが、当時の生活ぶりや服装が忠実に再現されている。
白人の手先となったスカウトは軍隊の帽子を被り、軍服を着用している。
 保留地で暮らすNA達の服装もこの時代は、政府から支給された綿のシャツやスラックス、ブリーチ・クラウト、ベストといったものを着用。
 この時代、かつての動物のバックスキンは既に過去のものとなっているが、頭に巻くヘッドバンドや腰から垂らす
赤いサシュ(SASH)、腰の前と後ろの部分だけにかかるブリーチ・クラウト、膝までのモカシンブーツなどはアパッチ族ならではのファッションである。
 ただし、居留地の中の住まいであるWICKIUP(ウィックィップ)は事実と異なる。
チリカファ族は本来、tipi(ティピまたはティピー)に住んでいた。
WICKIUPとは半円形(ドームシェイプ)で、縦横に何本もの木を組み、屋根の素材として草を載せるものであるが、映画の中のWICKIUPは半円形ではあるが、骨組みにかけられているのはキャンバスと皮、毛布を併用している。
 映画の最後のシーン。タラクアの畑の中で逃げるマサイ。
歩いてきた足跡をなぞりながら、そのまま後ろに下がり追っ手の目を眩ます方法や、負傷した傷口から流れる血を止めるために土を塗りこむ場面など、まさにゲリラ戦術に長けたアパッチらしいシーンです。
 既に保留地に入れられてしまったアパッチには食料も衣服も支給されているので、
本当のアパッチの姿や生活ぶりを知ることはできませんが、NAの立場に立って描かれた、数少ない映画であり、見所の多い、素晴らしい映画です。
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●印象的な言葉 
サントスはマサイとの会話後、『星に聞く。知恵がほしい』といいますが、この言葉、まさにNAらしい一言です。
同様に、フロリダに移送される前に話すマサイの一言『先祖の土地を捨てれば、死んだも同然だ』、死を覚悟して最後の戦いに臨む時の『戦士だけが、死ぬ場所を選べる』という言葉もうなづけます。


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プロフィール

北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー

Author:北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー
ネィテイブ・アメリカンの研究をライフワークとしています。研究を始めて15年。インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕の生活文化の素晴らしさと事実を多くの人に知ってほしいと思います。






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