2017-11

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映画の中のネイティブ・アメリカン達①アパッチ


●今月中に再開いたします。

【半年も更新ができませんでした。この後、アラスカのインディアン&エスキモーのカヌー&カヤック、カナダのインディアン&イヌイットのカヌー&カヤックについて解説していく予定でしたが、十分な準備ができていませんでした。今月中には再開したいと考えていますが、それまでの間、まぐまぐにて発行しているメールマガジン『映画の中のネィティブ・アメリカン』を掲載させていだきます】

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映|画|の|中|の|ネ|イ|テ|ィ|ブ|・|ア|メ|リ|カ|ン|達■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●メルマガ趣旨
インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕を正しく理解するために、彼らが登場する映画の中で、ネイテイブ・アメリカン達がどのように描かれているかを解説・紹介することを目的としたメールマガジンです。

注:インディアン、エスキモー、イヌイットなどの先住民族に関しては、ネイティブ・アメリカン&カナディアン、ネィテイブ・ピープル、ファースト・ピープル、ファースト・ネイション等、様々な呼称の仕方がありますが、当メルマガでは総称してネィティブ・アメリカンを使用しています。
ただし、本文ではインディアン等の直接的な表現をすることもあることをご了承ください。

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アパッチ


アパッチ族を忠実に描いた快作
【アパッチ/APACHE(1954年)MGM】

 ・84分
 ・制作:ハロルド・ヘクト
 ・監督:ロバート・オルドリッチ
 ・撮影:アーネスト・ラズロ 
 ・キャスト:マサイ/バート・ランカスター
       サントス/ポール・ドルフォイル
       サントスの娘/ジーン・ピータース
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●『かってたった一人でアメリカ軍隊に立ち向かったインディアンがいた』
アパッチ族の族長ジェロニモがアメリカ合衆国に降伏する。
ジェロニモとその部下たちは、列車でフロリダに護送される。
しかし若き戦士マサイは、ただ一人脱走に成功。
長い旅の末、故郷に戻ったマサイを待っていたのは、白人に骨抜きにされ、変貌した仲間だった。
仲間の裏切りにより、再び捕らえられたマサイだか、護送中に再び逃亡。
マサイは非常な白人と裏切りに対して、たった一人で無謀な戦いをアメリカの騎兵隊に立ち向かった
アパッチ族最後の勇士マサイの伝説を映画化。

20060909140658.jpg


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■ストーリー 
舞台は1886年のアリゾナ。既に保留地に押し込まれ生活しているアパッチだが、ジェロニモ、マサイを中心とした何人かは幾度となく居留地を離れ、かつ反乱を起こした罪でフロリダに送られこととなった。
アルバカーキ~セントルイスを経て、フロリダのマリオン砦へと鉄道にて移送されるが、フロリダに到着する前にマサイは逃亡、辿りついたのはセントルイスである。
 ネイティブ・アメリカンがいきなり飛び込んだ白人の文明社会。
初めて見る、レストランで食事をする紳士淑女達、靴磨き、バンドが奏でる音楽と様々な楽器。
目に映るものがすべて珍しいが、インデイアンであること見抜かれ、逃亡することになる。
行き着いたのは、チェロキー族が住む保留地。
 ある家に忍び込んだマサイは、その家の主人と出会う。
主人をナイフで殺そうとしたマサイに対し、
『オレは仲間だ』
『何族だ?』
『チェロキーだ』
『この土地もか?』
『ああオクラホマと呼ばれている』
『何族だ?』
『アパッチだ』
『アパッチの土地ははるか彼方だ』
『家を見た。白人の家だ』
『マイハウス!』
『白人もチェロキーも変わりない』
『白人との戦の度、西へ追いやられた。カロライナ~テネシー~最後にオクラホマ。チーフは考えた。戦も逃げるのもやめようと』

 当時、チェロキーはいち早く白人と話し合い、白人社会と共存する道を選択している。
また早くから丸太小屋に住んでいる。
その当時の状況がよく分かる会話である。

さて会話の続きであるが、
『里に戻らねば』
『ここで暮らせ。保留地に戻っても何もない』
『戻る』
『タラクアの種だ。地にまけ』
『アパッチは戦士だ』
『チェロキーも戦士だった』
『白人社会を見ても分からんのか。戦士は終わった。オレたちは白人を真似、共存できたのだ。
 タラクワの種で同じことをやれ。キミの仲間も』
 彼の意見を聞き入れず、深夜窓から出ていくマサイに対し、
『せめてドアから出て行け』
 といわれても窓から出て行くマサイ。
 しばらく経って、タラクワの種を取りに戻るマサイ。

 タラクワとは彼らチェロキー族の言葉で、とうもろこしのことである。

 長い苦難の旅の末、故郷に戻ったマサイが見たのは、
道路工事に従事するかっての仲間達だった。
ジェロニモがいなくなった後の族長となったサントスのテントに忍び込んだマサイはサントスと再会。舞い戻ったことを祝って二人で酒を酌み交わす。
『この地酒も久しぶりだ』とマサイ。
そしてタラクアの種を見せ、『チェロキーはとうもろこしを作り、白人と共存している。オレたちもタラクアの種をまこう』とサントスに迫る。

 ここのシーンで二人が飲んだ地酒は不明であるが、タラクアを栽培するようになってからは「ティス・ウイン」と呼ぶ、とうもろこしをベースにした発酵飲料をアパッチ族は作っていた。

 さてサントスの裏切りにあい、再び捕らえられたマサイだが再度逃亡。戦士であることにこだわり、一人で軍隊と戦うことを決意する。
アパッチ独自のゲリラ戦術で軍隊を混乱させるが、最後には軍隊の手が
愛する女性と暮らす家に迫る。マサイを狙うのは軍隊とかつての仲間達。
ひとり勇猛果敢に戦うが、ついに降伏することとなる。
 妻と二人で育てたタラクアの畑を見て、軍隊の将校が『アパッチが始めて作物を育てた。手本にさせたい』と話すシーンが印象的である。

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■解説
 アパッチ族は25年に亘って軍隊と戦った、戦闘的で勇敢なことで知られる部族である。
 アパッチには大きく分けて、ヒカリラ・アパッチ(Jicarilla)とメスカレロ・アパッチ(Mescalero)、チリカファ・アパッチ(Chiricahua)、リパン(Lipan)の4つの部族がいた。
 有名なジェロニモは元々はベドンコ-エ・アパッチであるが、後にチリカファ族に加わったといわれている。
 ちなみにジェロニモとともに有名なチーフ・コチーズやチーフ・マンガス・コロラドもチリカファである。
 この映画の主人公のマサイはチリカファであり、ジェロニモとともに戦ったバンド(小部隊)の部下と思われる。
 マサイ/Masaiは実在の人物で、別名をBigFoot/ビッグフットといい、戦士(ウォーリアー)およびアウトローとしての記述が残っている。20年に亘って、アリゾナとメキシコで自由に暮らしたという。
 マサイの死後、アリゾナのチリカファ・ナショナル・モニュメント内にマサイ・ポイントとマサイ・キャニオンと呼ばれる場所が残されている。
 この映画には本物のNAが多数、出演している。
 サントスも保留地の仲間、スカウト(斥候)、チロキーもNAである。
また冒頭シーン、保留地で暮らすNA達が登場するが、当時の生活ぶりや服装が忠実に再現されている。
白人の手先となったスカウトは軍隊の帽子を被り、軍服を着用している。
 保留地で暮らすNA達の服装もこの時代は、政府から支給された綿のシャツやスラックス、ブリーチ・クラウト、ベストといったものを着用。
 この時代、かつての動物のバックスキンは既に過去のものとなっているが、頭に巻くヘッドバンドや腰から垂らす
赤いサシュ(SASH)、腰の前と後ろの部分だけにかかるブリーチ・クラウト、膝までのモカシンブーツなどはアパッチ族ならではのファッションである。
 ただし、居留地の中の住まいであるWICKIUP(ウィックィップ)は事実と異なる。
チリカファ族は本来、tipi(ティピまたはティピー)に住んでいた。
WICKIUPとは半円形(ドームシェイプ)で、縦横に何本もの木を組み、屋根の素材として草を載せるものであるが、映画の中のWICKIUPは半円形ではあるが、骨組みにかけられているのはキャンバスと皮、毛布を併用している。
 映画の最後のシーン。タラクアの畑の中で逃げるマサイ。
歩いてきた足跡をなぞりながら、そのまま後ろに下がり追っ手の目を眩ます方法や、負傷した傷口から流れる血を止めるために土を塗りこむ場面など、まさにゲリラ戦術に長けたアパッチらしいシーンです。
 既に保留地に入れられてしまったアパッチには食料も衣服も支給されているので、
本当のアパッチの姿や生活ぶりを知ることはできませんが、NAの立場に立って描かれた、数少ない映画であり、見所の多い、素晴らしい映画です。
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●印象的な言葉 
サントスはマサイとの会話後、『星に聞く。知恵がほしい』といいますが、この言葉、まさにNAらしい一言です。
同様に、フロリダに移送される前に話すマサイの一言『先祖の土地を捨てれば、死んだも同然だ』、死を覚悟して最後の戦いに臨む時の『戦士だけが、死ぬ場所を選べる』という言葉もうなづけます。


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北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー

Author:北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー
ネィテイブ・アメリカンの研究をライフワークとしています。研究を始めて15年。インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕の生活文化の素晴らしさと事実を多くの人に知ってほしいと思います。






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