2017-07

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映画の中のネイティブ・アメリカン達②ワイルド・アパッチ

20060921101133.jpg


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●編集前記
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西部劇映画には、白人が正義でインディアンが悪という図式の映画が数多くあり
ます。西部劇を西部開拓史と考えたら、白人開拓者VSインディアンという図式は
当然のことですが、白人にもいい人も悪い人もいるように、インディアンも同様
です。
よくいわれる、白人にとっていいインディアンとは『死を選んだインディアン』
ということになりますが、勇猛果敢なアパッチ族はその意味では、白人にとって
悪いインディアンとなるのでしょう。それだけに西部劇の世界ではインデイアン
といえば、アパッチ族というように敵役として登場する機会が多い部族です。

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ワイルドアパッチ


 ▼名優バート・ランカスターのウェスタン大作▼

◇◆◇『ワイルド・アパッチ』ULZANA’S RAID◇◆◇ 


【DATA】
 ユニヴァーサル 103分 
 1972年(日本公開1972年)
 原題:ULZANA’S RAID
 監督:ロバート・アルドリッジ
 制作:カーター・デ・ヘブン
 脚本:アラン・シャープ
 撮影:ジョセフ・バイロック
 音楽:フランク・デボル

【キャスト】
 ウルザナ/ホワキン・マルティネス
 マッキントッシュ/バート・ランカスター
 デブリン中尉/ブルース・デービソン
 斥候ケニティ/ジョージ・ルーク
 軍曹/リチャード・ジャツケル
 ケーツ大佐/ロイド・ボックナー
 カートライト少佐/ダグラス・ワトソン
 ルキーサー/カース・スゥェンソン


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■映画の紹介文から━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『騎兵隊とアパッチの壮絶な戦いの中、滅びゆくインディアンへの
深い愛情と理解が感慨を呼ぶ』

西部開拓も終了期に入ろうとする1880年代なかば。
シャイアン、スー、コマンチ、アパッチ等のインディアン各種族は
次々と敗れ、居留地に押し込められていた。
平和が訪れたアリゾナのローウェル砦の騎兵隊に、アパッチ脱出の報が
届けられた。率いているのは残虐で知られるウルザナ。
20余名の騎兵が選ばれ、歴戦の老勇士を案内役に追跡行は始まった。
指揮官は初陣の若い中尉。

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■ストーリー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼1880年、アリゾナのローウェル砦の中にあるネイティヴアメリカンの保
留地/サン・カルロスNAリザベーションから、アパッチ族のリーダーの一人
のウルザナが息子や仲間8人とともに脱走。
砦の騎兵隊は、入植者(開拓者)達に「ウルザナが逃げた」との伝令兵を出すと
ともに、騎兵隊は早速、追討隊を組織。
若く経験の浅いデブリン中尉は小隊を率いて、アパッチ族に詳しいベテランの
斥候(スカウト)のマッキントッシュを補佐に、追跡を開始する。
一方、伝令兵が入植者を伴い馬車で砦に向かう途中、ウルザナ率いるアパッチ
が襲撃する。
伝令兵は自害し、生き残ったのは子供一人。

やがて追討隊が到着するがアパッチは去った後だった。
デブリン中尉はマッキントツシュに訊ねる。
「なぜ、子供を殺さなかった?」
「よくある気まぐれだ」
「女を犯していない」
「死んでたからだ」
追討隊は子供の父親の家へと向かうが、家を守るため一人残っていた父親は、
既に惨殺されていた。

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▼その夜キャンプを張る追討隊。
デブリン中尉はアパッチ族の斥候のケニティに、
昼間、惨殺された父親の殺され方について訊ねる。
「なぜ、あんなだ。なぜ残忍なのだ?理由は何だ?」
「性格だ」
「でもなぜ?」
「性格だ。もともとああいう人間なのだ」
「君もか?あんな殺し方を?」
「やる。力を奪うためだ。死ぬ者は殺した者に力を奪われる。
 死んだら力が抜けるのだ。火と同じだ。火は長い間燃えて、人が温かくなれる」
「では、時間をかけて人を拷問し、苦しむのを見ていれば力を取れると?どん
 な力だ?」
「この土地で生きていくには力が要る。あんたは知らん」
「知りたい。理解したい」
「ウルザナは居留地にいて、力が弱くなっている。鼻には居留地の匂いが。
 年寄りの匂いに、女の匂い。犬や子供の匂いも。
 年寄りの匂いがついた男は年寄りだ。
 新しい匂いが要る。走る馬、焼き討ちの匂い、弾丸の匂いが力だ」
「子供は助けた?」
「子供から力は取れない。男からだけだ」
「では大勢殺すのか」
「殺す」

ケニティの言葉に納得できないデブリン中尉は
マッキントッシュに訊ねる。
「アパッチが憎いか?」
「いや」
「私は憎い」
「こんなことをいっても慰めにはならんが、白人の大半はおなじ気持ちだ。
 きみはなぜ違う?」
「憎んでも無意味だ。恐れるほうが長生きできる」

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▼翌日、追跡を続ける追討隊は水場に到着する。
しかし、僅かばかりの水場には殺された馬の死骸が放置されていた。
中尉はケニティに訊ねる。
「くそ!やつらの狙いは?」
「こちらの馬を減らして、追跡をやめさせたい。
 白人は歩きに弱い。アパッチは歩ける」

その頃、ウルザナは追討隊の目をくらますため、策をこうじていた。
ロープで前の馬と後ろの馬の尾をつなぎ、岩場に差し掛かったとき、次々と岩場
に飛び移るアパッチ達。
馬の先頭と最後だけに人が乗り、下馬したアパッチは追討隊を待ち伏せするつも
りなのだ。

追討隊はウルザナ達の馬の足跡を見つけるが、
マッキントッシュはそれを見て、
「馬が乗り手なしで走っている。乗っているのは前後だけだ」
 中尉は聞く。
「テキは降りたのか?」
「そうだ我々の後方で。確かだ。馬の走りが軽い」
「奇襲か?」
「違うだろう」
「我々には山まで追わせて、自分から迂回して行く。その間に我々は馬を失くす」
「追わねば」
「敵は先行してほくそ笑む」
「やられたな」
「先にミスをしたほうが墓穴を掘るんだ。狙いはいい。だが裏をかける」
「方法は?」
「オレの馬を先にいただく」

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▼翌日、一人スカウトに出たマッキントッシュはアパッチの馬群に追いついた。
1人を撃ち殺す。殺したのはウルザナの息子だった。
その光景を双眼鏡で見ていたウルザナ。

追討隊は交代の馬を確保するため、近くの農家に出向くが
家は焼かれ、妻はレイプされ、夫は殺されていた。
中尉はケニティに訊ねる。
「ウルザナはどうする?」
「今は息子の恨みを晴らすことしか考えていない。仕返しだ。多くの死が必要だ」
「どうする」
「ウルザナは馬を2頭とったが、もっと要る。なければ部下は居留地へ。
 アパッチは書類にサインした兵隊ではない。いいときだけ戦う」
「襲撃はもう終わりか」
「ウルザナは部下に力を与えないと。だめなら終わりだ」
「その力と馬はどこで」
「あんたらだ、殺してとるつもりだ」
「襲ってか?」

追討隊は今後の作戦を検討。
中尉はマッキントッシュに訊ねる。
「奥さんはどうする」
「そりゃ砦まで送らせる」
「何人で」
「軍曹と6人で」
「兵が減る」
「仕方ない」
「なぜ」
「奥さんを砦へ帰さなきゃ」
「アパッチは女は犯して殺すのが普通だ。なぜ奥さんは助けた」
「死んだと思って」
ケニティが口を挟む。
「送っていくのを承知で生かしておいたのだ。護送の兵を襲う」
マッキンは中尉にいう。
「アパッチ戦では次の動きを読めたら、勝ち目がある」
「故意に誘わせて逆襲。それなら勝てる」
「しかし、誘いが敵を有利にすることも」
「分かる。護送隊ほ危険にさらす。奥さんも」
「そうだ。だからやるかやるかだ。ケニティの考えも聞け。
 ウルザナの部下は山歩きで疲れる。食い物も悪い。
 やがて居留地の肉と女房が恋しくなる」

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▼翌日、追討隊は罠を仕掛ける。
砦に奥さんを連れて帰るように見せかけるために、追討隊と奥さんを連れて砦に戻
る隊の二手に別れ、砦に戻る隊が襲撃される前に駆けつけると画策するが、追討隊
が駆けつけるより先に峡谷で襲撃を受けてしまう。
銃撃戦となり、次々と撃たれる騎兵隊。
奥さんとマッキントッシュだけが残ったところに駆けつけるケニティ。
目的としていた騎兵隊の馬を奪うことができなかったうえに、騎兵隊のラッパの音
色が聞こえたことから、諦めてその場を去るウルザナ。
しかし、ウルザナの前にケニティが立ちはだかる。
二人は向き合うが、突然、歌を歌いだすウルザナ。
そして観念してケニティに撃たれる。

ケニティはデブリン中尉に
「チリカウァ・アパッチのウルザナだ」と告げる。
デブリン中尉の「埋めろ」の指示に兵隊が動くが、ケニテイは兵隊を制し
「いや、俺が埋める」という。
マッキントッシュは死を覚悟して、一人現場に残ることを選択する。
デブリン中尉と騎兵隊は任務を終え、砦に帰る。

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■解説━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アメリカのインディアン問題に正面から取り組み、浮き彫りにした西部劇です。
インディアン居留地を飛びだし、自由の獲得を目指したアパッチに対し、「居留地
より逃亡したインディアンは、これを追跡、逮捕すべし」という軍規に従い、追討
する騎兵隊とスカウト達の数日間を描いています。双方とも緊迫した状況の中、印
象的シーンがいくつかあります。

・伝令兵が入植者の奥さんと子供を伴い、砦に戻るシーン。
アパッチの襲撃を受け、伝令兵はすぐさま一人で逃げようとするが、奥さんのヘル
プ!の声に戻るが、奥さんを射殺。
子供を馬に乗せ走りだすが、アパッチに撃たれ落馬。
そして自分の銃を口に突っ込み。自害する。
またアパッチは馬車からすべてのものを奪い取り、奥さんの指輪も外そうとするが
取れないため、ナイフで切り取ろうとする。
そこに子供が走り寄り、外してアパッチに手渡す。

・入植者を襲うシーン。
双眼鏡で十分に偵察してから、家に火を放ち、伝令兵から奪ったラッパをラッパ兵
同様に上手に吹き、安心させておびきだす。
戸から出てきたところを捕らえ、殺害した男の飼い犬の尻尾を口に咥えさせ、縛り
あげた後、火で焼き惨殺する。

・夜のキャンプ・シーン
中尉と軍曹との会話。
中尉「父に聞いてみたい」
「何をです」
「なぜ残酷なのか。彼等とて我々同様に神が培われた人間だろう」
「アパッチには目には目を、歯には歯をです。それしかない」
「イエスの教えは違う」
「確かに。でも奴等に左の頬を出すものはいません」

それぞれのシーンには意味がありますが、とにもかくにも、この映画でのアパッチ
は狡猾で残忍というふうに描かれている。

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さて、マッキントッシュはインデイアンの女性と暮らしていることが最後に明らか
になるります。つまり、インディアンが基本的には好きなんですね。
インディアンの生き方に尊敬の念を抱いていたのだと思います。
それだけにケニティとは言葉を交わさなくても通じ合う。
そして二人とも軍のスカウトの仕事をしている。マッキントッシュはインディアン
は好きだけれど、仕事としてルールを守らないインデイアンは討伐しなければなら
ない。ケニティも同様に義理の兄とはいえ、軍と契約しているから任務を全うし
なれければならないという、それぞれにジレンマを抱えている。

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前回紹介した「アパッチ」に登場するアパッチはベスト着用が多かったが、この映
画のアパッチは全員がジャケットを着用している。
特にウルザナは、ビーズワークと思える円形の大きなエンブレムをジャケットの両
胸に付けている。またシャツも洒落たものを着ている。そして腰には短銃(ガン)と
携帯している。インディアンが短銃をもっているのはとても珍しいことである。

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主人公のウルザナはチリカファ・アパッチという設定ですが、チリカファ・アパッ
チについては前号で説明しましたが、コロラド、アリゾナ、メキシコ、ニューメキ
シコに居住していました。
コロラド、ニューメキシコは元々、コマンチ族が居住していましたが、1717年、
戦いをして奪いとりました。
しかし同時期、近隣のプエブロやスペイン人とは仲良くやっていました。
地域的には「サザン・グレート・プレーンズ」に分類されます。

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■印象に残った言葉
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「ウルザナの妻は俺の妻の姉だ。だが、みにくい。俺の妻はきれいだ」

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● 編集後記!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて今回、紹介しました『ワイルド・アパッチ』はロバート・アルドリッチとバー
ト・ランカスターが再び手を組んで制作したもので、実際にアリゾナで起きた事件
を基に描いた西部劇です。
主人公のアパッチ族の戦士の名前こそ異なるものの、ストーリー自体は前作の『ア
パッチ』とほぼ同様です。
二度にわたって同様の映画を製作した二人はよほど、この素材が気にいったのだと
思います。別の側面でいうなら、アメリカのインディアン問題に正面から取り組ん
でいたロバート・アルドリッチ監督のこだわりだったのかも知れません。
このワイルド・アパッチではアパッチ族がいかに手強い戦士であるかが、描かれて
います。
さて、ストーリーで、アパッチ族と主人公の会話を数多く紹介しました。日本語の
字幕なので、正確な言葉は分かりませんが、会話の中にアパッチ族の考え方や生き
方、価値観というものが見えてきます。またアパッチVS騎兵隊の心理的駆け引きを
知っていだくためです。


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北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー

Author:北米先住民族文化研究所 パニオロ・ケニー
ネィテイブ・アメリカンの研究をライフワークとしています。研究を始めて15年。インディアン、エスキモー、イヌイット等、北米の先住民族〔ネイティブ・ピープル〕の生活文化の素晴らしさと事実を多くの人に知ってほしいと思います。






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